今回のテーマは「強いボール」
これは、私も最近気づいた事なのですが、「強いボール」と「速いボール」は違うと言う事です。
当たり前の事ですね。
「何を今更。。」と思う方もおられると思います。
私も以前からわかっていたつもりです。
ですが、それが最近かなり明確になってきているのです。
よく、ボールの重さが議論される事がありますよね。
いわゆる「重いボール」「軽いボール」という奴です。
この違いとも関係しているように思います。
速くても強くなければ、実は相手は返球しやすいのです。
逆にボールのスピードはそれほど速く見えなくても強いボールは非常に返球しにくくなります。
ちなみに強いボールと表現しましたが、そのボールを打つ為に筋力やパワーは必要ありません。
強いボールを打つ為に筋力を使って「力」を入れて打つわけではありません。
と言うより、筋力を使うとかえってボールは弱いボールになります。
そうではなく、「自然と力が入る」状態でボールをヒットするのです。
「力を入れる」ではなく、「力が入る」
この違いはお分かりになるでしょうか?
前者は力が入らないので自分が意識的に力を入れる状態。
後者は自分が力を入れるのではなく、自然に入る状態、つまり、無意識の力です。
言い換えると前者は意識分散状態。
後者は無意識状態=集中状態。
とも言えると思います。
これが今私が考えている強いボールです。
ちなみにこのような力が自然と入る状態でヒットした「強いボール」は数をたくさん打っても体はそれほど疲れません。
それは筋力を無駄に使わないからです。
非常に省エネなテニスとも言えます。
筋力に頼るテニスには限界があります。
筋力や体力は絶対に年齢と共に低下していきます。
これはどうしようもない現実です。
ところが技術は伸ばし続けることができます。
この強いボールを打つ技術もその一つですね。
ボールに対するエネルギーの入出力の関係は身体の状態によって大きく変わります。
ボールには大きなエネルギーを加えているつもりでも実際のボールはあまり飛んでいない。
ところが逆にそれほど、大きなエネルギーを加えているつもりはないのに実際のボールは威力のあるボールが飛んでいく。
この違いですね。
この入出力の違いは身体の状態によって大きく変わります。
筋力を使わなくても自然に力が入る状態でヒットする事ができればボールへの入出力が良くなります。
つまり、自分では力を入れているつもりがないのに、「勝手にボールが飛んでいく」
こんな感覚です。
それに対し、筋力を使って打つボールは自分の体には力を入れて「打っている」感覚が残ります。
ところが実際のボールはそれほど、飛んでいきません。
こうなると年齢と共に筋力が低下し、それに伴い、ボールもだんだん威力がないボールになります。
それは悲しいですよね。
年齢に関係なく、上達する為には技術を磨くしかありません。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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