ナダルのフォアハンドのテークバック

テクニック解説
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今回はナダルのフォアハンドストロークのテークバックについてお話してみたいと思います。
ナダルのフォアハンドストロークと言えば、強烈なトップスピンが特徴ですが、なぜ、彼があれほどまでのスピンボールを打つ事ができるのか?
その秘密は少なからず、テークバックにも表れています。

ナダルのフォアハンドストロークのテークバックには大きく3つの特徴があります。
では、一つずつ紹介していきます。

1.右手が胸を通り越して、左肩に近いところまで移動する

この動画をご覧いただくとわかると思いますが、彼はラケットを握らない右手をラケットのスロートに添えたまま、上半身をターンしていきます。
その為に、右手は一度、左肩の前ぐらいまで移動するのです。
その後、左手よりも少し早めにスイングに入るので、前に戻っていきますが、非常に大きく右手が動くのが特徴です。
ちなみにこの理由は腕ではなく、体幹で打つ事が強調されているからだと推測できます。
つまり、簡単に言えば、両手のフォアハンドストロークに近い身体の使い方をしているわけです。
腕の力ではなく、体幹のエネルギーを積極的に使おうとした結果がこの右手に表れています。

2.ラケットヘッドが常に胸側に存在する

二つ目の特徴はラケットヘッドの場所です。
彼のラケットヘッドは常に胸側に存在します。
最初はラケットヘッドは立ったまま、上半身のターンと共に後ろに移動します。
そして、腕の位置が決まると、今度はラケットヘッドは胸側に倒れていきます。
これは、ストレートアームで打つ選手の特徴ですが、ラケットヘッドは後ろに引かれる事はありません。
その為に、ラケットヘッドは常に胸側に置かれた状態でスイングが完了するのです。
威力のあるボールを打つ為にはどうしても、テークバックを大きくしたくなる物ですが、彼らのテークバックは非常にコンパクトです。
その一つの特徴がラケットヘッドの位置と言うわけですね。
ちなみに、体幹の動きに対して、腕の動きが大きくなると拳の位置が背中側に移動し、ラケットヘッドも同じように背中側に引かれる事になり、結局は手打ちの状態になるのです。

3.ラケット面が地面に向いた状態でテークバックが完了する

右手をラケットのスロートに添えたまま上体をターンし、テークバックが始まりますが、彼のラケット面の向きに注目して観察してみてください。
最初は胸側に向いていたラケット面はテークバック完了時には地面に向いて完了します。
地面を向いたラケット面は、体幹が戻って、スイングに入っても、ほとんど上を向かずに、ボールに向かって行きます。
そして、インパクト直前で回外されていた腕が、急激な回内運動を起こします。
この時にラケットヘッドが強烈なスピードでボールにエネルギーを与えます。
ナダルはフェデラー同様、腕が伸びきったストレートアームでヒットしますが、ストレートアームの特徴は体幹の動きによって、腕が大きなエネルギーで前方に振り出される事です。
ナダルはこのエネルギーを強烈な回内運動でボールに回転をかける事に利用しているんですね。
ラケット面を地面に向けておくことはストレートアームで打ち、尚且つ、強烈な回内運動をする為には必要な準備なのです。

以上の3つがナダルのフォアハンドストロークのテークバックの大きな特徴です。
ただ、実はこの3つの特徴はフェデラーはベルダスコなど、ストレートアームでボールをヒットする選手には共通のポイントなのです。
逆に言えば、ストレートアームで打つ為にはこのポイントを抑える事が必要とも言えるでしょう。

ストレートアームでボールをヒットする事ができると打点をしっかりと前でヒットする事ができます。
それだけ、精度、パワー共に有利になります。
打点が遅れてパワーロスしてしまっている方は、この3つのポイントをチェックしてみるのも良いかもしれませんね。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村

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