そもそも練習とは? その2

テニスの上達の為に
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今日は前回の続編です。
「そもそも練習とは? その2」

前回、練習とは?
「感覚を使って、物理的現象の再現性を高める作業」
だとお話ししました。

ですが、これだけだと勘違いする方がおられたので少し補足説明します。
実は練習には2段階あると考えた方が良さそうです。

第一段階
「物理的現象を観察し、現実に即した感覚に気づく」

第二段階
「感覚を使って、物理的現象の再現性を高める作業」

このほうがより勘違いが少ないと思われます。

では、補足説明していきますね。

テニスは確率のスポーツです。
安定性はプレーヤーのレベルと直結しています。

いくら素晴らしいボールが打てても、
そのショットが不安定ではあまり意味がありません。

一か八かのショットは試合では役に立ちません。
また、ショットが不安定だとメンタルも安定しません。

ですから、練習で安定性を高めておく必要があります。

ところが、実際には安定性を高める事は簡単ではありません。

プレーヤーは誰もがミスが減るように練習しているはずです。
にも、関わらず、安定性を身につけているプレーヤーは一握りです。

これは何故なのか?
才能や素質、能力がその理由なのか?

いいえ、そんな事はありません。
人は誰もがテニスが上達する能力を備えています。

ですが、その引き出し方を勘違いしているのです。
練習の方法もその一つです。

実は多くのテニスコーチ、テニスプレーヤーは打ち方やフォーム、または感覚を再現する事が大切だと思っているようです。

その為に、正しい打ち方やフォーム、感覚に着目して練習します。

例えば。
「どんな感じで打てば、詰まらずに打てるだろう?」
「どんな感じで打てば、脱力して打てるだろう?」
「どんな感じで動けば、体重移動が出来るだろう?」
「身体を捻るのはこんな感じだろうか?」
「足を踏み込むのはこんな感じだろうか?」
「テークバックはこんな感じだろうか?」
・・・・・

ほとんどの方はこんな感じで練習すると思います。
ですが、実はこれはとても難しい方法です。

理由は「感覚(打ち方)⇒ 物理的現象」となっているから。

つまり、感覚で物理的現象を引き起こそうとしているわけです。
ですが、これは矛盾していると思いませんか?

まだ、感覚(打ち方)が分かっていないのに望む物理的現象を起こせるわけがありません。

まだ、一度も食べた事の無い料理をただ、闇雲に作り続けているような物です。
一度も味を体験した事がない料理を作りだす事ができるでしょうか?

そんな事が出来るのは、とんでもなく低い確率なのは容易に想像できます。
これでは時間をかけて練習しても上達するのは中々難しいです。

では、こんな方法はどうでしょう?

先ほどとは真逆の方法です。

つまり、「物理的現象 ⇒ 感覚(打ち方)」とするわけです。

具体的にはこんな感じです。

とりあえず、ただ、ボールに集中して打ってみる。
その時の物理的現象を観察します。

例えば。
どれぐらいの高さを飛んで行ったか?
どれぐらいの速度で飛んで行ったか?
どれぐらいの距離を飛んで行ったか?
どんな回転をして飛んで行ったか?
ラケットにどんな衝撃を与え飛んで行ったか?
・・・・・

こういう物を繰り返し観察します。
するとどうなるか?

観察を続けていくと、段々感覚が分かってきます。

「なるほど!」
「こんな感じの時、こんな高さに飛ぶんだ!」

「なるほど!」
「こんな感じの時、こんな速度で飛ぶんだ!」

「なるほど!」
「こんな感じの時、これな距離で飛ぶんだ!」

・・・・・・・

理由はとても簡単です。
物理的現象を「繰り返し観察する」事が味見を繰り返す事になるからです。

味見を繰り返していれば段々、その味を再現する事が出来るようになります。

食べた事がない料理をいきなり作る事は不可能です。

「感覚(打ち方) ⇒ 物理的現象」

        ↓

「物理的現象 ⇒ 感覚(打ち方)」

これが簡単な方法です。
また、これがフィーリングテニスの練習方法です。

フィーリングテニスの根幹になる情報は大脳生理学です。
大脳生理学は脳の正しい使い方を教えてくれました。

脳の正しい使い方は「インプット⇒アウトプット」です。
この順番を間違えては脳の本来の能力は発揮できません。

ところが「感覚(打ち方) ⇒ 物理的現象」はこの順番に反しています。
その為に、努力しても中々上達する事が出来ないわけです。

赤ちゃんが突然、言葉を話し始めるのは周りの大人が話す言葉を聞き続けているからです。

つまり、「インプット⇒アウトプット」です。

ところが、一般的なテニスはそうではありません。
インプットする事無く、いきなりアウトプットしようとします。

いくら正しいアドバイスや方法であってもインプットが無ければ、あまり意味がありません。
と言うより、「なるほど!」と納得した内容であれば、あるほど、実は身に付きません。

理由はインプットしないでアウトプットするからです。

これが「頭で分かれば分かるほどテニスは上達しない」
一番大きな理由です。

あなたはこの落とし穴にハマらないでください。
常識的な練習方法の反対を実践してください。

テニスが本当は簡単なスポーツであるのがわかると思います。

練習とは「感覚を使って、物理的現象の再現性を高める作業」です。
その為に、まずは「物理的現象を観察し、現実に即した感覚に気づく」を実践してください。

自転車に乗るように「何故、出来るか分からないけど、出来る」そんなテニスを身につける事が出来ます。

本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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