高校一年生(女子)のフォアハンドイップス

イップス克服レッスン受講者
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約一か月前にフォアハンドイップスでボールが打てなくなってしまったと問い合わせをいただきました。
悩んでいるのは福井県の高校一年生の女の子。
まずは電話で1時間ほどのヒアリングをさせていただきました。

初めてイップスが出るようになって、まだ一年ほどと言う事でした。
色々聞いてみると、彼女の場合は原因と考えられるのはスイングスピードを上げる練習を繰り返した事と格下の選手には負けられないと言うプレッシャーがイップスを引き起こしたようです。

そして、先週の土曜日レッスン当日を迎えました。
この日はお父さん、彼女の中学生時代のコーチ、そして、ご本人の3人で福井県から訪ねてきてくれました。

皆さんにはまず、イップスに陥ってしまった原因である意識性の問題についてお話ししました。
そして、次に潜在意識と顕在意識の関係。
また、それと同時にイップスを改善する為に必要なプレッシャー対策についてお話しさせていただきました。
そして、最後に最も大切なイップスを改善する方法について。
約1時間ほどのミーティングを行い、まずは頭と心を整えます。

そして、オンコートへ。
オンコートではまず、キャッチボールから始めます。
これはボールへ集中すると身体は自動的に動くと言う体験をしてもらう為です。

単純なキャッチボールから始まり、左手で投げてもらったり、背面投げで投げてもらったり。
そして、百発百中で狙った所にコントロールする感覚を指導します。
これらは集中力が高まると身体が自動的に行ってくれる物です。
イップスを改善するには頭で意識しなくても、集中力が高まると身体が自動的に動いてくれると言う事を体験する事が最も大切です。
この感覚が分かれば、イップスはもう治ったも同然なのです。
逆に言えば、この感覚が分からないまま練習を繰り返すとイップスはどんどん泥沼にはまります。

さて、一通り、ボールへの集中力を高める体験をしてもらってから、実際にラケットを持ってテニスの練習に入ります。

まずはラケットを持ち、テニスボールを打つ状態でボールに集中する感覚を指導します。
具体的にはボールの観方やボールとのタイミングの感じ方です。
次に、イメージと身体の動きを一致する為の空間認知力を高める方法を指導します。
後は、ボールに集中し、ボールをヒットしてもらいます。

最初は手出しのボールを打つ事から始めます。
おっかなびっくりの頼りないスイングでボールを打ち始めました。
ところが、少しボールを打っていると心地良く、ボールを打ち始めます。
ボールのコントロールも安定して狙った所に飛んで行き始めます。
イップスの兆候は全く見られません。

最初は自信なさげに緊張して硬かった彼女の表情が段々柔らかくなっていきます。
それと同時にどんどん、ボールの球威、質が高まっていきます。
ボールのコントロールは安定しています。
何度も的に直撃します。

彼女本人も心地よくボールをヒットできているようです。
楽しそうにボールを打ち続けます。
すると硬かった動き全体もスムーズに動き始めます。

これなら、大丈夫と判断したので、ラケット出しのボールに切り替えます。
やはり同じように最初に空間認知を高めるドリルを繰り返し、イメージと身体の動きを結びつけます。
そして、ボールへの集中の仕方を確認します。

そして、ボールを打ち始めます。
やはり、ボールは安定しています。
的の方向に安定してコントロールされ、イップスの兆候は全く出ません。
そして、何より、気持ち良く降りぬいてボールをヒットしています。

私は段々彼女にプレッシャーをかけていきます。
速いボール、遠いボール、短いボール・・・
いろんな変化をつけて、彼女を振り回します。

彼女は私のプレッシャーに引き上げられ、どんどん動きが良くなっていきます。
変化のある厳しいボールで振り回されているにも関わらず、ボールのコントロール、精度、威力が増していきます。
これはボールへの集中力が高まっている証拠です。

15球程度振り回したら一旦休憩。
すぐに呼吸を整え、集中力を高めて次の15球。
そして、呼吸を整え、集中力を高めて、また次の15球・・・・
こんなドリルを繰り返し、とにかく、ボールへの集中力を高める練習をします。

彼女自身も不思議に思っているようです。
あれほど、打てなかったフォアストロークが嘘のように気持ち良く打てるからです。
彼女曰く「こんなに気持ち良く打てるなんて、滅茶苦茶久しぶりです。」

それはそうでしょう。
イップスが出る程ですから、彼女の本来の感覚は完全に忘れてしまっていたでしょうから。

さて、次に練習したのは打点を高くしてチャンスボールを打ちこむ練習です。
実はここにも彼女の問題があったようです。
打点を高くするためのスイングを間違った意識で練習した為にイップスに陥る原因を作ってしまったのです。

そこで、それを修正するドリルを5分ほどしてもらいます。
そして、ボールに集中してボールをヒット。

驚くほど、良いボールが的を直撃します。
これには彼女本人が一番驚いたようで「あ!」と大きな声を出します。
そして、最高の笑顔。
よほど、気持ち良くボールが打てたのでしょう。

それからもどんどん調子は上がっていきます。
高い打点でヒットされたボールは面白いように狙ったコースに突き刺さります。
それも安定して。

次は彼女自身が「ドライブボレーがしてみたい」と言うのでドライブボレーの練習です。
最初にボールに集中して、ドライブボレーをヒットするメンタルリハーサル。
彼女自身が「出来そうな気がする」状態を待ちます。

それからボールをヒット。
やはり、1球目から最高のショットが的に突き刺さります。
これが先ほどまでイップスで悩んでいたプレーヤーとは信じられません。
ヒットされたボールは何度も何度も的を直撃します。

この頃には彼女の顔からは全く不安な表情は消えています。
楽しそうにただ、ボールをヒットします。

私が彼女に指導したのはボールへの集中の方法とイメージの作り方です。
ただ、それを繰り返します。

この二つが崩れるとまた、イップスの回路が働き始めるからです。
私はそうならないように、1プレーごとに集中力を高めるルーティンを繰り返し行うように誘導します。
ただ、これだけです。
これだけで彼女のプレーは見違える物になりました。

実はイップスを改善する事は難しくはありません。
ただ、ボールへの集中力を高め、イメージと身体を繋いでやればいいのです。

ところが、イップスを改善しようとするとほとんどの指導者は身体の動きを改善しようとします。
これが余計にイップスを酷い状態にしてしまうのです。

さて、最後にお父さんとご本人の感想をご紹介します。
イップスでお悩みの方はぜひ、参考にしてみてください。

一緒にご覧いただいていたお父さんの感想
「今日は本当に、本当に、ありがとうございました!

オンコート前のヒアリングのメソメソから始まり、最初の球出しでは硬さを感じるスィング…
ところが、ボールへの集中の高まりと共に、レッスン後半には、彼女らしい動きとスィングが現れてきてビックリしました!

戸村コーチのおっしゃるように、最初の一歩なのかも知れませんが、もうテニスを辞めたいとまで思い詰めていたことが嘘のように、笑顔になった娘を見ることができ、とても、とても大きな、意味のある一歩たったと確信しております。

少しずつでいい、強く優しい人間に成長して欲しいと、親としては願っています。
それが私が娘にスポーツをさせてきた目的です。
彼女の成長に力を貸して頂けたこと、本当に感謝致します。
出会いに感謝です!
今後とも親子共々宜しくお願い致します!」

ご本人の感想
「私は1年くらいフォアのイップスに悩まされていました。
一時期はおさまっていたけれど、高校に入ってからイップスの症状がまたでてきてしまいました。

そして、父や中学時代のコーチや学校の先生たちの協力で、戸村コーチのレッスンを受けさせてもらえることになりました。
戸村コーチはとてもポジティブで、関西弁で、面白い人だと感じました。
とてもフレンドリーで初対面なのに、安心できたし素直に信頼することができました。

戸村コーチの話はとても勉強になることばかりでした。
レッスンでは、最初全然打てていなかったのに、レッスンが進むにつれて私の本来のショットを打つことができるようになっていました。
とても不思議な感じでした。

レッスン中はとくに特別なことは言われませんでした。
今回、戸村コーチと会ってレッスンを受けて、自分の考え方を改めていこうと思いました。
今回のレッスンでは私はボールへの集中の仕方を知ることができました。

まだ身に付いていないので、戸村コーチが教えてくださったことを忘れずにこれからも頑張っていきたいです。
結果がでなかったり、上手くいかなくっても焦らずにゆっくりと力をつけていきたいです。
ありがとうございました。」

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