今回はワウリンカのバックハンドグリップについて考えてみたいと思います。
ワウリンカのバックハンドと言えば、トップ選手の中でもピカイチの威力と精度を備えた武器です。
片手のバックハンドでありながら、ベースラインからウィナーが取れるほどです。
片手のバックハンドは両手のバックハンドに比べるとどうしてもパワーと言う点では劣る場合が多いのですが、彼の場合は全くそんな事はありません。
特に高い打点でも全く問題なく、振り抜いて打てるのが強みです。
片手のバックハンドだと、高くなるとどうしても難しくなるんですけどね。
こうしてみるととんでもなく凄い勢いでボールが打ち出されているのが分かりますね。
ちなみに、ラケットスイングのスピードとボールのスピードに大きな差があるのが世界のトップ選手の共通の特徴です。
つまり、ラケットスイング自体はそれほど速くないのに、ボールのスピードは非常に速い、それだけボールの伸びが凄いという事です。
この動画を見ていただくとわかりますが、もちろん、ワウリンカのバックハンドにも同じ特徴があります。
その差は大きい時では30km近くになります。
実際にこのボールを観たら、まさに「ボールが迫って来る勢い」を感じるはずです。
さて、そんなワウリンカのバックハンドですが、グリップはバックハンド用のセミウエスタンからウエスタンの間という感じでしょうか。
非常に強烈にボールをインパクトしますが、ウエスタンほど厚くはないですね。
厚すぎると繊細なタッチのショットを扱う事が難しくなりますから、彼にとってはこれぐらいのグリップが強く、それでいて、ラケット面もコントロールしやすいグリップという事なのでしょう。
実は彼のバックハンドのグリップにはもう一つ大きな特徴があります。
それは人差し指と親指の使い方です。
注意して、人差し指と親指を見てみてください。
人差し指と親指でできる割っかが、わりとしっかりと閉じられているのが分かると思います。
いわゆるハンマーグリップに近いです。
グリップを握る時には、「力まないように小指から握る、そして、人差し指はピストルを握るように少し余裕を持たせる」
こんな事を聞く事はないでしょうか?
「人差し指と親指をしっかりと握る、ハンマーグリップは良くない」と言われるんですね。
ところが、ワウリンカのバックハンドはハンマーグリップに近いのです。
実はこの特徴は、次世代の世界NO1と言われているティエムにも見られます。
彼もワウリンカと同じようにハンマーグリップに近いグリップでバックハンドを打ちます。
さらにティエムは小指の力が非常に抜けています。
小指が開いて、ラケットから少し離れている画像があるほどです。
その代わり、人差し指と親指の輪っかはしっかりと閉じられています。
ティエムのバックハンドもワウリンカのバックハンド同様、非常に強烈な威力を持っていますよね。
実はハンマーグリップの方がラケットヘッドがしっかりするので、パワーと言う点では優れているのです。
ただ、ハンマーで握る分、掌の感覚が鈍くなります、その為に、ラケット面の扱いはより繊細な感覚が求められます。
つまり、パワーやスピードを手に入れる事ができる代わりに、精度を身に着けるにはかなりの練習が必要という事です。
ただ、身についてしまえば、ワウリンカのように効率よく、強烈なインパクトを手に入れる可能性はあります。
ワウリンカのようなバックハンドを身に着けたい方は人差し指と親指の使い方にも注目されると良いと思います。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村
コメント
こんにちは、とーちやんです。
サバチーニや、エナンなんかは、どうなんでしょう?
顧みれば、とーちやんも片手バックでマンマーグリップでした(^_^)。
バックだけは、何も考えないで、バーンと打つことができます。
先日の名古屋合宿でフォアもシンプルに考えられるようになり、(何も考えないのがベストなのでしょうが)レベルアップを実感してます。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
では、また。
こんにちは。
懐かしいですね、エナン。
彼女も女性でありながら、強烈な片手バンクハンドを打つ選手でした。
今、確認してみましたが、彼女もハンマーグリップに近いグリップで打っていますね。
サバチーニは鮮明な画像や動画がなかなか見つけられないので、何とも言えませんが、彼女のバックハンドも強烈でしたから、もしかしたら、ハンマーグリップに近いかもしれません。
いずれにしても、ハンマーグリップはバックハンドのパワーアップのポイントの一つにはなると思います。