杉田祐一選手のフォアハンド

テクニック解説
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今回は日本の杉田祐一選手のフォアハンドストロークを見てみたいと思います。
昨日、杉田選手はドイツのハレで行われたゲーリーウェーバーオープンでフェデラーと対戦しました。
結果は惜しくもストレート負けでしたが、随所に好プレーを見せて彼の今後の可能性を感じさせてくれました。

最新のフォアストロークの技術にはダブルベントとストレートアームの大きく二つの技術がありますが、杉田選手は日本人選手で最もストレートアームの打法に近い選手です。

ストレートアームの代表選手と言えば、フェデラーやナダルですね。
逆にダブルベントと言えば、錦織選手やジョコビッチです。

どちらが優れていると言う事は言えませんが、ストレートアームの打法のほうがより効率よく骨を使っていると言えるでしょう。
ストレートアームの打法ではインパクトで腕を伸ばした状態で使うので、相手の打球からの衝撃を骨を使って支える事が出来るからです。
また、体幹の捻り戻しで作られた遠心力のエネルギーを効率よく使う事も出来ます。
ストレートアームの打法を身に着けている選手は強烈なフォアストロークを打つ選手が多いのは少なからず、このような事が関係していると思われます。

さて、上記は動画は2011年ぐらいの動画のようです。
その為に、今の杉田選手のフォームとは多少違っていると思います。
世界を転戦し始めて、より力強くなっていますからね。
ですが、この動画にも彼の特徴はしっかりと出ています。

まずはテークバックですが、上半身のユニットターンから始まります。
そして、拳の位置は世界のトップ選手同様、コンパクトに自分の胸側にセットされます。

さて、ここからがストレートアームの打法を使う杉田選手の特徴が現れます。
それはダブルベントの選手に見られる脇を締めて腕を回外する動作をせずにスイングに入る事です。

実際に試してもらうとわかりますが、脇を締めて腕を回外すると肘は曲がる動作をするのが自然です。
伸ばしたまま、脇を締め、回外する事は非常に違和感がある動きです。
実はストレートアームの打法とダブルベントの打法はここで大きく変わるのです。

杉田選手はテークバックからスイングに入る時に脇を締めずにそのまま回外運動だけをして体幹の動きによって、グリップエンドからボールに向かって行きます。
その結果、腕は曲がらず、打点を前に取る事が出来ます。
そして、後ろから腕を伸ばした状態でボールを支えるようにインパクトします。

日本のトップ選手はどちらかと言えば、ダブルベントで打つ選手が多いのですが、その中で杉田選手はストレートアームで打つ数少ない選手です。

ちなみに、杉田選手のグリップはそれほど厚くはありません。
セミウエスタンに近いグリップのように見えます。
実はストレートアームで打つにはグリップは少し薄い方が適しています。
フェデラー、ナダル、デルポトロ、ベルダスコ・・・
実はみんな思った以上に薄いグリップを使っています。

これもストレートアームで打つ選手の特徴です。
ぎゃくに言えば、厚いグリップを使っている選手はダブルベントの打法の方が向いているとも言えますね。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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