テニスの得意ショットと苦手なショット

テニスの上達の為に
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今日のテーマは「得意と苦手」

一般的にほとんどのプレーヤーは「得意なプレー(ショット)」と「苦手なプレー(ショット)」を持っています。

「私には得意なプレー(ショット)が無い!」とお悩みの方もいるかもしれませんが、
なぜ、得意なプレーと苦手なプレーが出て来るのでしょう?

この両者は相反するプレーですが、実は一つ共通点があります。
それは、どちらも「分からない」と言う事です。

得意なプレーは「なぜ、上手く出来るかわからない」けれど、何故だか、上手く出来てしまいます。
その為に「上手く出来る本当の理由」を説明する事が出来ません。

「何となく、こんな感じ~」でプレーすると上手く出来てしまいます。

それに対して苦手なプレーはどうか?

色々試してみるけれど、どうやっても上手く出来ません。
その為に「どうやってやれば良いか、分からない・・・」となります。

つまり
得意なプレーは「なぜ、出来るか分からない」
苦手なプレーは「どうすれば良いのか分からない」

いずれの場合も「頭では分からない」
ここに共通点があります。

さて、その一方で分かっている事もあります。

それはどこかで習ってきたテニスの知識です。
コーチや先輩に教わったり、動画で学んだコツや基本です。

これらは何となくでも、頭で理解し、イメージする事が出来ます。
ところが、これらは「分かっているのに出来ない」と言う状態になります。

ちなみに、苦手と言う状態は、これらのコツや基本をやってみたが、出来ないので「どうすれば良いか分からない・・」と言う状態です。

いずれにしても、大まかなテニスの状態はこの三つです。

・「なぜ、出来るか分からない」得意なプレー
・「頭では分かる」が出来ないプレー
・「どうすれば良いか分からない」苦手なプレー

さて、この事を冷静に見てみると、ある事に気付くと思います。

それは「そもそも頭で分かる必要があるのか?」と言う事です。

得意であっても、苦手であっても、どっちにしても「分からない」んです。
そして、その一方で「分かるけど出来ない」んです。

「分かる」とはそんな物です。
そんな物がテニスで本当に必要あるのでしょうか?

実はここにテニス上達の大きなヒントが隠れています。

多くのテニスコーチ、テニスプレーヤーは「分かると次第に上達する」と思っています。
昔の私もそうでした。

でも、それは大きな勘違いです。

テニスは分かれば、分かるほど、上達する事が出来ません。
それは「苦手」な世界に突き進む事になるからです。

「得意」な世界に進むには「分からない」まま進む事です。

ところが、これが中々簡単な事ではないんです。
理由は「分からないまま進む」事はとても不安な事だからです。

例えば、見知らぬ街でこの先どうなるか分からない道を進むでしょうか?
普通はそんな事はしません。

「この先どうなっているんだろう?」とその先を知りたくなりますよね。
これが普通です。

でも、テニスはこれでは上達できないんです。

だから、テニスは一握りの人しか上達できないんですね。

機会があれば、子供を観察してみてください。
彼等は常に分からないまま進んでいます。

「その先に何があるのか?」なんてお構いなしです。
ただ興味に対して素直に突き進みます。

だからこそ、短期間で成長する事が出来るんです。

考え方はテニスも同じです。

「分からないまま進む」人は上達する事が出来ます。
「分かった事を身に付けようとする」人は上達が止まります。

ちなみに、私が指導する生徒さんにはある傾向があります。
それは「諦めて全く練習していなかったショットが最も早く上達する」事です。

例えば、ボレーやバックハンド。
最初に練習した時に、「難しい」と拒否反応を示し、その後諦めて練習をしていなかったショット(笑)

これが最も早く上達します。

理由は簡単です。
拒否反応を示した為に、余計な知識がない状態だからです。

この何も分からない状態で必要な経験を積んでいただいたら、自動的に得意なプレーになります。

ところが、それに対し、時間が必要なのは、いろんな知識やコツを試してきたショットです。
複雑に絡まってしまった糸をほどいて、もう一度最初からやり始める必要があるからです。

テニスにおいて「分かる」とはこういう物です。

ですが、残念ながら、一般的な常識はこうではありません。
「分かれば、速く上達する」
「分からない事は出来ない」
「まずは分かる事が必要」

こんな風に考えられています。

本当はテニスコーチにこそ、この事に気付いてほしいんですけどね。
そうすれば、生徒さんは悩まず、もっと簡単に楽しくテニスが上達できます。

でも、現実は中々難しいです。
コーチ自身も分からない道を進むのは怖いですからね。

本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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