「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
この言葉は野球の野村克也氏がよく口にしていたようですが、彼が創作した言葉ではなく、松浦静山と言われる剣術家が「剣談」という剣術書に書き記している言葉です。
意味を簡単に説明すると。
「勝ちには自分でもどうして勝ったかよくわからない、そんな不思議な勝ちがある。
ところが、負ける時には負けるべくして負けるものである」
こんな感じです。
つまり、勝つときには自分でも説明ができないような勝ち方があるが、負けるときはちゃんと負ける理由があるというわけです。
さて、試合に強くなっていく為にはこの「勝ちに不思議の勝ちあり」を経験する事がとっても大事。
試合にまだ、勝った経験がない人には特にこの経験が必要です。
実はこの「不思議の勝ち」とは集中力が高まった状態を指しているのだと思います。
いつもお話するように集中力が高まった状態とは何も考えていない「無」の状態です。
無の状態ででプレーすることができれば、普段の自分以上のプレーが期待できます。
その結果、試合に勝てる可能性も格段上がります。
ただ、この状態になるには頭の中でいろいろ考えている状態ではいけません。
「ああしよう!」
「こうしよう!」
「あんな事したい、こんな事したい」
こんな状態では集中力は高まってきません。
「勝ちたい!勝ちたい!」と願っていてもダメなんですね。
そんな思いも無くなるぐらい、ボールに没頭しないといけないわけです。
そうして、集中力が高まって来た時に「不思議の勝ち」がやってくるというわけです。
そんな時、自分自身では「勝ちたい!」と願いながらプレーしているわけではありません。
ただ、ボールに没頭してプレーするだけ。
ですが、結果的にはそれが一番パフォーマンスが高い状態。
俗に言われる「無欲の勝利」と言われる状態でもあります。
つまり、試合に強くなるにはこんな体験が必要と言うことです。
「勝ちたい」という思いをぐっと堪えて、純粋にボールに集中する。
そんな試合ができるかどうか?
ここが大きなポイント。
当然の事ですが、誰でも試合に出たら負けたくありません。
負けるために試合に出る人なんていませんからね。
つまり、その試合に参加している全員が勝ちたいと思っているのです。
では、その中でどうしたら自分が勝てるようになるのか?
みんなと同じ事をしていたのではみんなと同じですよね。
特別な事をするから特別な結果が出るわけです。
では、特別な事とは?
それが、「勝ちたい!」という思いを手放す事です。
「勝ちたい」思いを手放してただ、ボールに没頭する。
そうして「不思議の勝ち」を体験するんです。
それが、みんなと違う特別な体験です。
普通はみんな「勝つためにどうしたら?」を考えながら試合をします。
これを辞めてしまうんです。
そうして、ただ、ボールに集中して淡々とプレーする。
そして、ある時「不思議の勝ち」を経験する事になります。
そうすれば、しめた物。
ここから試合の勝ち方を身につけていきます。
一番、大きなポイントは「不思議の勝ち」を経験する事ができるかどうかなんです。
経験がない時と1回経験しているのでは雲泥の違いです。
まずは、1回不思議の勝ちを体験してください。
そこから大きく道は開けます。
その為には、「勝つことを手放すこと」が大切ですよ(・∀・)b
あなたに不思議の勝ちが訪れる事を期待しています♪
本日は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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