チョン・ヒョンのフォアハンド

チョン・ヒヨン
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ご質問をいただきましたので先日の全豪オープンで大活躍したチョン・ヒヨン選手のフォアハンドについて解説したいと思います。
強烈なボールにも力負けしない彼のフォアハンドは安定性、攻撃力、共に優れています。
そして、彼のプレーの根幹になっています。
今回の大活躍もこのフォアハンドがあってこそです。

ちなみに彼はストレートアームのフォアハンドを身につけています。
ストレートアームのフォアハンドと言えば、フェデラーがその代名詞ですね。
そこで、今回はフェデラーと比べてみる事にします。

さて、それでは、まずはこちらをご覧ください。


出典:HYEON CHUNG • NEW TENNIS SENSATION • PRACTICE SESSION

出典:Roger Federer Forehand In Super Slow Motion

これはテークバックが完了する直前ですが、両者の動きが非常によく似ているのがわかると思います。
ただ、少しだけ、フェデラーの方がラケット面が地面に水平に近いですね。
これはグリップの違いによるものだと考えられます。

そして、次にテークバックからスイングに入る直前です。

ここで少し両者の違いが出てきます。
チョン・ヒヨンのほうがラケットヘッドが少しネットと反対方向に伸びるのに対して、フェデラーのラケットヘッドのほうが後ろを向きません。

さて、ここまで来ると両者の動きが少し違うのがわかると思います。
まず、腕の動きですが、これはほとんど変わりません。
両者とも綺麗に肘が伸びた状態でグリップエンドがボールを向いた状態でインパクトに向かって行きます。
では、今度は胸の向きと腰の向きを見てください。
フェデラーはオープンスタンス、チョン・ヒヨンはスクエアのスタンスなので、その影響が腰には出ていますが、チョン・ヒヨンのほうが少し横向きが残っているのに対し、フェデラーのほうがより前に向かっているのがわかると思います。

そして、インパクトです。

ここで、その違いがはっきりわかると思います。
フェデラーのほうがより綺麗に前を向いて、後ろからボールを支えています。
それに対して、チョン・ヒヨンのほうが少し横向きが残っていますね。
ただ肘は綺麗に伸びたストレートアームである事は間違いがありません。
その為に、強力でありながら、安定してボールをヒットできるのです。

今後、より動きが洗練されてくると彼のフォアハンドはよりフェデラーに似て行く可能性があります。
ちなみに、この違いが生まれて来る原因はここです。

ラケットヘッドの位置がフェデラーに対して、チョン・ヒヨンのほうが少し後ろにセットします。
この位置の違いの影響がインパクトに表れているのだと推測できます。
逆に言えば、この位置がもう少し前になって、フェデラー並みに打点を前に捕れるようになったら、よりレベルの高いフォアハンドになるのではないでしょうか。

いずれにしても、素晴らしいストレートアームのフォアハンドには間違いがありません。
ズベレフ、ティエム、キリオス、シャポバロフと言った若手選手の中には強烈なフォアハンドを武器にしている選手は少なくありません。
ですが、他の全ての選手はダブルベントのフォアハンドです。
今のところ、ストレートアームのフォアハンドを身につけているのはチョン・ヒヨンだけです。
そういう意味では、彼のこれから、益々活躍するのではないのでしょうか。

コメント

  1. てらけん より:

    リクエストに応えていただきありがとうございました!

    数年前に比べてもチョンヒョンのフォームが精錬されて来ているので、おっしゃるとおりまだまだ進化していくのかもしれませんね。

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