格上の相手と試合する時に最も大切な事。

ヘッドワーク
この記事は約4分で読めます。

今回のテーマは「格上との対戦」です。

格上の選手と対戦した時にミスが多くなる大きな理由の一つはプレーのギアを上げすぎる事です。
高いパフォーマンスを発揮しようとしすぎるんですね。

それが自滅をする原因になります。
そうならないように、プレーのギアをコントロールする練習が必要です。

ただ、コントロールといっても、プレーのギアを上げたり、下げたりするという意味ではなく、自分にとっては一番ギアの低い、下限値の状態でプレーすることが大切です。
ボールに集中し、自分からミスをしないように淡々とプレーすることです。

少し話は変わりますが、私はよくこんな質問をします。

「自分よりも格下との対戦で一番楽な試合展開は?」
すると大体の人はこう答えてくれます。
「勝手にミスしてくれて自滅してくれる展開」

その通りです。
何もしていないのに勝手にミスしてくれる展開が一番楽な展開です。

逆にどんなにチャンスボールであっても、自分から決めなければならない展開は集中力を問われます。
つまり、1球でも多く打たされる事はいくらレベル差があっても嫌な物なのです。

実際、「じゃ格下と対戦して一番嫌な試合展開は?」
と質問すると。

「とにかく、ミスしないでコートにボールが返球されること」
こんな風に答えてくれます。

そして、最後にこんな質問をします。
「じゃ、自分より格上と対戦する時にその嫌な事をしてる??」

するとどう答えてくれるか?
「あ!・・・そんな事ありません・・・」

こんな感じです。
つまり、自分が格下とする時には例えチャンスボールでも打たされるのは嫌だと感じていながら、自分が格上と対戦する時はその一番嫌な事をしていないわけです。

では、どんなプレーをしているのか?
ほとんどの方は、その格上のプレーヤーに負けないように同レベル、またはそれ以上のレベルのプレーをしようとしているわけです。

そして、結果的には自分がギアを上げすぎて自滅をしてしまうわけです。
これは自分が格下と対戦する時に一番楽な試合展開ですよね。

つまり、ほとんどの人は自分では気づかない内に格上の相手にとって一番楽な試合展開を選択してしまっているということなんです。

これは非常にまずい事です。
いつまでも安定した試合をする事ができません。

では、どうすれば安定した試合をする事ができるようになるか?
それが一番ギアの低い下限値でプレーすることなんです。

自分は特に何かを仕掛けるわけではなく、ただ、ボールに集中し、淡々とプレーする。
そして、相手に決められても気にしないでとにかく自分のミスを最低限に減らす。

こんなプレーです。
こうして説明すると対して難しいとは思わないと思います。

極論を言えば、ただ、コートに返すだけで良いわけですから。
ですが、実際にやってもらうとわかりますが、これが思った以上に難しいです。

つい、色気が出て、何かをしようとして、結局自分がミスをする・・・
こんな事がたくさん起こると思います。

この状態が自分の下限値のプレーです。
この下限値のプレーをすると自分の実力が露呈します。

安定した試合ができない一番の理由はこの下限値のプレーが不安定だからなんです。
逆に言えば、この下限値のプレーのレベルを上げる事ができれば、今までと全く違う試合ができるようになります。

ちなみに、これは技術の問題ではありません。
今日、初めてラケットを持った人であっても、下限値と上限値のプレーの差はあります。

問題はそのプレーヤーがどんなイメージを持ってプレーするか?
そして、どんな心理状態でプレーするか?

この違いが下限値と上限値の違いです。
いくら高い技術を持っていても、これがコントロールできなければいつまでも試合は勝てません。

技術は道具のような物です。
同じ道具を持っていても使い手によって全く違う結果が出ますよね。

これと同じです。
いくら技術を高めても、良い道具をたくさん手に入れるだけ。

大切な事はその道具の使い方です。
使い方が悪いとそれは宝の持ち腐れになってしまいます。

ですから、技術の高さと試合のパフォーマンスとは全く別の次元の話なのです。

本日は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

コメント

タイトルとURLをコピーしました