状況把握と集中の関係

戦略、戦術
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先日「試合に勝つには状況把握が大事だよ!」ってお話をしました。

ありがたい事にかなりの反響をいただきました。
中でも、多い質問が一つあったので今日はこちらをシェアしてみたいと思います。

同じような疑問を持たれた方もおられる思いますので良かったら参考にしてみてくださいね。

「○○と申します。毎回メールを楽しく拝見しています。

今回のメールについて確認したいことがあります。
DVDの中では集中すると1点しか見えなくなるとありました。
私も人差し指と中指の指紋を眺めて確かにそうだなと実感しました。
そのため、ボールのケバケバを見るよにしています。
(なかなか、集中しきれないでいますが)

今回のメールにある”状況把握”はゲームではもっともな事だと思います。

ただ、ボールに集中すると周りが見えなく(見えづらくなる)のも事実でボールを打った時には、手遅れで前衛にポーチされる場面もあります。

ボールへの集中を行いつつ、状況把握も同時に行えるものなのでしょうか?
私が、勘違いして理解しているのでしょうか?」

いかがでしょう?
こんな疑問出てきませんでした?

たしかに意識は一つの事にしか集中できません。
ですから、「ボールに集中すると周りがわからなくなる」
こんな風に思うかもしれません。

でも、本当はちょっと違うんですね。
では、私のご返答です。

「こんにちは!
戸村です。

いつも応援ありがとうございます。

さて、今回のご質問ですが、ボールに集中することと周りの状況を把握することですが、 同時にする事はできます。
というより、実は「自然に集中すると自動的に周りの状況も感じる事ができる」と言ったほうが良いかもしれません。

ちなみに周りの状況は目で「見る」という感じではありません。
目はボールにピントを合わせ続ける必要がありますから。

そうではなくて、「感じる」という感覚です。

例えば相手のポーチなどは「相手が動いたのが見えた」というより「相手が動いたような気がする」
または「相手が動くかも?」こんな感じに近いと思います。

ただ、これも感覚の話なので言葉で表現すると違って伝わってしまうのですが・・・

どちらにしても、脳は興味を持った情報をキャッチしてくれるようにできています。
そして、この情報は集中力が高くなればなるほど、多くの情報を、正確にキャッチしてくれます。

つまり、相手の動きや周りの状況などに「興味を持って」ボールに集中すれば、自動的に周りの状況の情報をキャッチしてくれるというわけです。

ところが一般的には周りの状況よりも、自分のボールや結果に興味を持っている方が多いんですね。
その状態でボールに集中するので、周りの状況を感じることができない方が多いというわけです。

ですから、ボールに集中する事と周りの状況を把握することは別々の事ではないんですよ。
ただ、周りに興味を持てば、後はボールに集中するだけで自動的に周りの情報もキャッチできるというわけです。」

いかがでしょう?
私はこんな風にお答えさせていただきました。

ちなみに集中とは目でボールを観る事ではありません。
それは単なる方法です。

集中する一番の効果は精度の高い情報をキャッチする。
そして、その情報に基づき精度の高いパフォーマンスを発揮することです。

また、同時にそれを短時間で記憶することも可能です。

ここでポイントになるのは「精度の高い情報」ということです。

精度の高い情報とは?
何に対しての精度?
ここに興味が関係するんですね。

補足して表現すれば「興味を持った対象に対する精度の高い情報」と
考えてもらえばわかりやすいかもしれません。

つまり、自分の打ち方やフォームに興味を持って集中すると自分の打ち方やフォームに対する精度の高い情報をキャッチします。

そして、また相手の状況や周りの状況に興味を持って集中すると相手の状況や周りの状況に対する精度の高い情報をキャッチすることができるというわけです。

では、試合では一体どんな事が必要か?
やはり状況把握なのです。

フォームや打ち方では試合を優位に運ぶことはできません。
多くの方はここを勘違いさせられているわけです。

いつもお話させていただいていますが、
脳には無限の可能性が秘められています。

あなた次第でその可能性を引き出すことができます。
その大きな鍵があなたの「興味」です。

興味の方向を間違わなければ
あなたの本来の可能性を引き出すことは難しい事ではありません。

ですが、もし、興味の方向が間違っていれば・・・
これは望む結果を実現する事は非常に難しくなります。

ぜひ、そのあたりをもう一度整理してみてください。
それだけでテニスの次元が突然、変わりますよ(・∀・)b

常々お話しますが、上達には時間はほとんど関係がありません。
本当にちょっとした気づきがあれば突然、プレーは変わってしまいます。

ぜひ、考え方を柔軟にして新しい気づきを探してみてくださいね。

それでは、本日は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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