今日のテーマは「テニスで最も大切な基本」です。
どんな物事でもやはり基本は大事です。
基本を飛び越して我流で続けてもそれは非常に遠回りです。
ではまずこれをご覧ください。
これはピカソのデッサンですが、ピカソと言えば、どうしても、非常に個性的な絵をイメージしませんか?
私みたいな素人には彼の絵画の素晴らしさは残念ながら分かりません。
「おお!なんて個性的なんだ!」ぐらい(笑)
でも、見る人が見たら、彼の凄さはわかる。
ところが、さっきのデッサンなら私のような素人でも「メチャ上手い!!」となります。
ここで何が言いたいか?
ピカソは基本を徹底的に繰り返したと言う事です。
そして、その先に自分の個性を発揮した。
こういうことだと思うのです。
デッサンという基礎をトレーニングする中で彼は自分のイメージを表現する1本の線を追い求めた事でしょう。
そして、自分のイメージを表現できるようになった時。
今度は自分の個性を表現する1本の線も表現できるようになった。
そして、彼のあの非常に個性的な絵が創られたのだと思います。
もし、ピカソが全く基礎を練習しないでただの我流で書いていたら?
もしかしたら今のあの絵はただの落書きだったかもしれません。
実はこれテニスにも全く同じ事が言えます。
基本を飛ばして我流でプレーしてもそれはすぐに限界が来ます。
テニスも基本を徹底的に練習する事で自分の個性を表現する事ができるようになるんです。
ただ、問題なのは基本とは何か?
何を徹底的に練習すれば良いのか?
ここは大事。
結論から言うとフォームや打ち方やグリップは基本ではありません。
どうでも良いです。
私が考える基本とは集中力であり、イメージ力です。
これを徹底的に繰り返さないと自分の個性を表現する事はできません。
でも、残念ながら基本を間違えている方が多いです。
フォームや打ち方を基本だと教わってしまったからです。
イメージを表現すると言う意味では絵画もテニスも同じです。
ではピカソは鉛筆の持ち方を基本としていたか?
腕の使い方を基本としていたか?
多分していないのでしょう。
彼が徹底的に練習したのは自分がイメージした1本の線だと思います。
その1本の線の為に無数の線を書き続けたはずです。
その元にある物は集中力とイメージ力です。
これを鍛えたのだと思います。
そうしているうちに、自分のイメージを表現しやすい鉛筆や筆の持ち方に気がついたかもしれません。
でも、それは1本の線を追い続けた結果です。
テニスのフォームやグリップも同じ。
自分がイメージしているボールを追い続けた結果、効率の良いグリップの持ち方やフォームに気がつくことはあります。
そして、実際に理想のフォームを身につける事が出来ます。
でも、それは基本ではありません。副産物です。
この主従を間違えるとテニスは遠回りします。
本当に大切な基本はボールへの集中力とイメージ力です。
これを徹底的に練習する事が大事。
ちなみに私はレッスンをする時に本当にただの一言もフォームや打ち方についてアドバイスしません。
でも、結果的にはフォームが変わります。
もちろん、良くなります。
滑らかに自然に、そして、効率が良くなります。
でも私はただ、イメージを明確にする事、そしてボールに集中してもらう事。
この二つしかアドバイスしません。
後は結果です。
放っておいても良くなります。
フォームも良くなり、ボールも良くなるのです。
いかがでしょう?
これが私の考える基本です。
ちなみにあなたの考える基本はどんなものでしょう?
世の中は必ず原因と結果の法則で成り立っています。
基本はできるだけ原因に近いほうが良いです。
結果に近ければ近いほど努力は空回りします。
でも原因に近ければ?
それはすぐに結果が変わります。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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