今日は「縦と横」についてお話しします。
テニスボールのコントロールは縦と横のどちらが難しいか?
つまり、距離のコントロールと方向のコントロールのどちらが難しいか?
という事ですね。
実はこの事に気づいていない方は案外多いんです。
答えは距離のコントロールです。
横のコントロールに比べると縦のコントロールのほうが比べ物にならないくらい難しいです。
実際に打ち合った時のミスの統計を取ってみてください。
そして、「サイドアウト」と「ネットミスとアウトミス」の数を比べてみてください。
圧倒的に「ネットミスとアウトミス」の数が多いはずです。
これはボールの縦のコントロール、つまり、距離のコントロールのほうが難しいという事を表しています。
つまり、安定したプレーを身につける為にはボールが飛んで行く距離をコントロールする練習を重点的にするべきです。
その結果、ネットミスとアウトミスが減るとプレーは見違えるように安定します。
では、どうすれば、縦のコントロールが良くなるか?
まずは、物理的にボールの距離を変える要素を知る必要があります。
ボールの距離を変える要素は大きく3つあります。
お分かりになるでしょうか?
実は縦のコントロールが甘い人ほど、この要素を知らない傾向があります。
その為に、ボールの距離を操る事が出来ないんですね。
ボールの距離を変える要素は下記の三つです。
・ボールに与えるエネルギーの大きさ
・ボールの弾道
・ボールの回転の質
この3つが物理的にボールの距離を変える要素です。
ボールの距離はこの3つの要素が条件となって決まります。
つまり、距離をコントロールするにはそれぞれの要素とボールが飛んで行く距離の関係を知る事が必要です。
例えば。
「どれぐらいの強さを与えれば、どれぐらいの距離飛んで行くのか?」
「どれぐらいの高さで打てば、どれぐらいの距離飛んで行くのか?」
「どんな回転がかかれば、どれぐらい飛んで行く距離が変わるのか?」
ネットミスとアウトミスを無くすにはこのような事を知る必要があります。
ところが、ほとんどの方はこの事を知りません。
理由はとても簡単です。
ボールをコントロールするには正しいフォームで打つ事が必要だと教わってしまうからです。
でも、それは、大きな間違いです。
いくら正しいフォームで打っても、ボールコントロールは良くなりません。
正しいフォームで打っても、先ほどの3つの要素のバランスが崩れていたら距離をコントロールする事は出来ないからです。
また、アウトミスを減らすにはトップスピンが必要だと習ってしまいます。
これも大きな勘違いです。
確かにトップスピンがかかれば、ボールが飛ぶ距離は短くなります。
ですが、この3つの要素の中でもっとも距離に与える影響が少ないのが回転の質です。
「エネルギーの大きさ」や「弾道」のほうが距離に与える影響は大きいです。
つまり、まずは、「エネルギーの大きさと距離の関係」「弾道と距離の関係」
これらを練習した方が遥かに早く上達します。
にも関わらず、無理やり回転をかける事でアウトミスを減らそうとするので中々縦のコントロールが身に付かないのです。
よくあるケースは回転をかける事でボールは短く打てるようになったけれど、今度は逆に「長いボールが打てない」
こんな事が起こります。
いずれにしても、このような問題は本来のボールを変える要素を練習していない事が原因です。
当たり前の事ですが、この3つの要素はそれぞれバラバラで存在するわけではありません。
3つが関係しあいながら、一つの距離が決定します。
その為に、頭で考えて出来る事ではありません。
ボールを観て、感じる体験を繰り返す事で身体が学んで行く必要があります。
そうして、ボールの距離感を磨いていきます。
ただ、こうして、活字で説明すると非常に難しく聞こえるかもしれませんが、実際に練習すると実はそれほど難しい事ではありません。
人間には素晴らしい能力が備わっています。
その本来の能力を活用するように練習すれば、思った以上に簡単に身に付いてしまいます。
テニスは物理的条件を整えないと再現性が生まれません。
その物理的条件を再現する為に感覚が必要になります。
一般的なテニスの常識では打ち方やフォームなどの形を練習する事が上達の早道だと考えられています。
ですが、あなたはその間違った常識にハマらないでください。
一生懸命練習しても、中々上達しない負のスパイラルにはまり込んでしまいますので。
本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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