相手を見て予測するとテニスは上手くなれない?

テニスの上達の為に
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photo credit: Sum_of_Marc Kei Nishikori – Wimbledon 2014 via photopin (license)

フィーリングテニスのテキストを読んでいただいた方からこんな質問をいただきました。

はじめまして。
〇〇と申します。

フィーリングテニスの内容を見させていただき、新たな発見が色々ありました。

ただ、自分の中で疑問が残るところがあり、メールさせていただきました。

ご存知だと思いますが、テニスの指導では『予測する』と言われることがよくあります。ボールを打った後はボールを追いかけて見るのではなく、相手を見ることで次のボールを予測することです。次の準備や動きだしという点では間違った考え方ではないと思えます。

私の理解不足なのかもしれませんが、ボールに集中するという考え方とは相反するように思えるのですが、どのように理解すればよろしいでしょうか?

そこで、私はこんな風にお答えしました。
良かったら参考にしてみて下さい。

「確かに一般的には相手を見て「予測する」という事が必要なように言われますよね。
以前は私もそのように指導していました。

ですが、今はこのように指導していません。
理由は簡単です。
相手を見て予測するより、相手を見ないでボール集中した方がパフォーマンスが上がるからです。

相手を見て予測する事には様々な弊害があり、それが一定以上の上達を邪魔しています。

様々な検証を繰り返した結果、「相手を見て予測する」のは間違った常識だと私の中では結論が出ました。

人の目には中心視野と周辺視野と言う機能が備わっています。
中心視野とは精度の高い情報をキャッチする視野です。
それに対して、周辺視野とは曖昧な情報をキャッチする代わりに直観が働くような視野です。

例えば、○○さんが今、このメールを読まれている時、クリアに見える範囲はとても限られているのがお分かりになると思います。
はっきりと観えるのはせいぜい、一文字程度です。
と言うより、「一文字の一部」と言った方が良いかもしれません。

あとのその周りは何となく、存在が分かる程度です。

このように、実は人の目は視野の中の物全てがはっきり見えている訳ではありません。

はっきりと観える中心視野と曖昧に見える周辺視野の両方で視野が出来ています。

ボールに集中すると自然と中心視野でボールを観て、周辺視野で相手の動きを感じるようになります。
この状態になる事で相手の動きを感じる予測を無意識のうちに行い、素直に素早くボールに反応する事が出来ます。

ところが、相手を見て予測しようとするとこれが逆転します。
中心視野で相手を見て、周辺視野でボールを観る事になります。

そうすると、相手の打ってくるボールはある程度、予測できても、実際にはそのボールが上手く打てないと言う矛盾に陥ります。

○○さんも経験されているのではないでしょうか?
「分かっているのに上手く打てない」と状態を。

この状態が中心視野と周辺視野が逆転してしまった状態です。

この状態を避けるには「相手を見て予測する」という事を止める事です。
これをしている限りはいつまでも、「分かっているのに上手く打てない」状態が続きます。

これを止めて、何も考えず、ただ、相手のほうに向かうボールに集中します。
すると無意識のうちに身体は相手の動きを感じ、その予測も含めながら、ボールに素直に反応、対応できるようになります。

この状態になると、自分ではボールを予測していないのに、ボールが分かっていたかのように素早くボールに追いつき、さらにタイミングよくボールをヒット出来ます。

「年に一回のバカ当たり」状態、つまり、「何故だか、とても調子が良い」
こんな状態に入る事が出来ます。

もちろん、これは机上の話をしているのではなく、既に私自身が何百人もの方に実際に指導させていただき、検証させていただいた結果です。
ですので、○○さんも一度試してみてほしいと思います。

予測するのを止めて、上手くボールへの集中する事が出来れば、全く違う次元のパフォーマンスを発揮する事が出来ると思いますよ。」

以上です。
「予測する」事自体は必要な事ですし、とても大切な力なので鍛える事が必要です。
ですが、その方法を間違えると弊害の方が大きくなり、かえって上達は止まります。

テニスは無意識の力を活用する事がとても大切です。
意識的にする事は本当の力ではないんですね。
これも大人になってテニスを習うと中々上達できない理由の一つです。

コメント

  1. 新井 文博 (ではなく、とーちゃん) より:

    ご無沙汰してます、とーちゃんです。
    『相手を観て予測する』と同じようで、違うと思うのが『相手の性格を知って予測する』だと思います。
    予測というか、性格からくる『確信』ですね。
    知っている者どおしでプレーすると、こういう弊害が起こります。
    『あいつは、こういう時、絶対にストレートしか打たない』って。で、ストレートへ打つんですから(^^;;;。
    とーちゃん、それが嫌で、いろいろな人とテニスをプレーします。
    それが、自分の『まんねり』を打破してくれる清涼剤だと思っています。
    なので、早くまた、『フィーリングテニス』に参加したいです。
    いろんな人とプレしたい、新たな気づきを試したい、ご無沙汰なメンバーさんは成長しているか?などなど…。
    次にお会いできる日が楽しみです。
    かくいうとーちゃんも、進歩してまっせー(^^V。それを、試したい、ってのもあります。
    今後ともよろしくお願い申し上げます。
    では、また。

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