テニスと風林火山

テニスの上達の為に
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今日のテーマは「風林火山」です。

風林火山とは、戦いにおける四つの心構えを表した言葉です。
甲斐の国の戦国武将、武田信玄が軍旗に記していたのは有名な話ですね。

彼はこんな風に書いていたそうです。

「疾(はや)きこと風の如く
徐(しず)かなること林の如く
侵掠(しんりゃく)すること火の如く
動かざること山の如し」

この意味を簡単に説明すると

風の如く
風のように素早く行動し

林の如く
相手に悟られないように落ち着いて準備し

火の如く
攻める時は火が燃え広がるように激しく

山の如し
不要な時は敵の挑発に動じず、落ち着いてどっしりと構える

こんな感じですね。

ところで、実はこれには続きがあるのはご存知でしょうか?
続きはこんな感じです。

「知り難きこと陰の如し
動くこと雷霆(らいてい)の如し」

つまり、こちらの作戦は、暗闇のように、相手には知られないように「動く時は雷のように突然、激しく」と言う意味です。

いずれにしても、これは勝負において、とても重要な心構えを説いています。
もちろん、テニスにもそのまま当てはめる事が出来ます。

・素早く動き
・落ち着いて攻める為の準備をする
・時が来たら一気に攻める
・守る時は徹底的に守る
・作戦を見破られない
・動く時は、突然、激しく攻める

こんな感じになるでしょうか。

さて、これを踏まえて、ご自身のテニスを振り返ってみてください。
どこか、偏ったところはありませんか?

これらの6つの心構えは、変化と安定のバランスを保っています。
簡単に言えば、「一つだけやってもダメ」って事です。

瞬間、瞬間の状況を見極める事が大切と言うわけです。

攻めるとなったら、ずっと攻めてしまう・・・

守るとなったら、ずっと守ってしまう・・・

「これでは対応できないよ」って事ですね。
ちなみに、この状態は攻めているのに、イメージの中には守りも含まれている。
と言っても、躊躇しながら、攻めるわけではありません。

また、守りながらも、攻めるイメージを持ち、静かに素早く、攻めに転じる準備をする
そして、時が来たら、相手の予想を裏切るように突然、激しく動く。

こんな風にある種の矛盾を含んでいます。

ある瞬間、どれかに偏った状態ではなく、「これら全てが含まれている」そんな感じです。
つまり、順番にやっていくわけではないんですね。

まぁ、言えば、直列ではなく並列と言えば良いのでしょうか。
ただ、言葉で聞くととても難しくなります。

実は今日、このお話をしたのは「これを頑張って身につけましょう」と言うわけではないんです。
ただ、知っておいて欲しかっただけです。
知れば良いんです。

知っていれば、段々、自然とこの状態に近づいていきます。

ちなみにこんな事を知らなくても、ボールへの集中力が高まっている時は誰もがこれに近いプレーを自然とする物です。
飛んでくるボールを感じていれば、難しい時は難しいなりに、簡単な時は簡単なりに、ボールと同調し、プレーします。

まぁ、言えば、風林火山のプレーがレベル10だとすれば、先ほどのプレーはレベル1と言ったところです。
ただ、レベル1が間違っているわけではありません。

そのまま、練習してれば、やがてレベル10に到達します。
だから、特別、この風林火山を身につけようと頑張る必要はないんです。

目指す方向が明確なら、自然とそちらに向かって進んでいきます。
そして、時が来れば、その場所に立っています。

だから、知るだけで良いんですね。
あとは、ただ、ボールに集中する事です。

ちなみに、集中するとなぜ、自然と風林火山に近づくのか?
それは「自分」が無くなるからです。

「自分」の想いが強くなると必ずこだわりが生まれます。
こだわりは状況を自然に感じる事が出来なくなります。
その結果、風林火山のバランスが崩れます。

林の場面で火になったり
風の場面で山になったり

こんなチグハグな事をしてしまう事になります。

その瞬間の状況に応じて変化する為には、「自分」は弊害になります。

例えば、水
水はどんな形にでも変化します。

ところが、確実に高い所から低い所に流れます。

つまり、自分が無いようで自分があるんです。
風林火山はこれに近い状態が必要になります。

水のように自然だからこそ、その瞬間に必要な状態に自然に変化する事が出来ます。
それには「自分」は邪魔って事ですね。

少し話は変わりますが、世の中ではテニスが上達するには「技術を練習すれば良い」と考えている方が非常に多いです。

でも、その思考はとても危険です。
技術はあくまでも方法論の一つです。

方法論は無数にありますし、時代と共に変化します。
テニスの歴史をご覧ください。

10年前の技術は今は否定されています。
同様にして、今の技術は10年後否定されるでしょう。

でも、風林火山は違います。

時が流れ、時代が変わっても、やはり、必要な物です。
テニスの上達に本当に必要な物とは何か?
私はそんな物だと思っています。

あなたはどう思いますか?

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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