今回のテーマは「試合で安定したショットを打つには?」
実は試合で安定性を向上させるには大きく2つのポイントがあります。
一つはボールのコントロールを高める事。
当たり前の事ですが、ボールのコントロールが悪ければ、当然、プレーも不安定になりますよね。
ただ、ボールのコントロールは単に技術の問題で決定するわけではありません。
技術以上に大きな影響を与えるのがメンタルです。
ですから、ラケットの振り方や打ち方、タイミングなどの技術だけの問題ではなく、当然、ボールへの集中力を高め、メンタルを安定させる必要があります。
つまり、ボールのコントロールを高める為にはメンタル、フィジカル、テクニカルのそれぞれをバランスよく高める必要があるということです。
ボールのコントロールが乱れてしまう方はこの3つのバランスが崩れているのです。
ですから、安定してボールをコントロールをする為には3つのバランスを整える練習が必要になります。
ですが、実はこれだけでは試合での安定性を高める事はできません。
プレーを安定させるにはボールのコントロール以上に大切な事があるのです。
それは「選択」です。
様々な状況で「どんなボールを打つのか?」
その選択を間違えないようにしないとプレーはいつまでも安定しないのです。
ところが、ボールのコントロールが良くなると、「プレーは安定する」と勘違いしている方が非常に多いんですね。
大切な事なのでもう一度言いますが、「ボールのコントロールが良くなってもプレーは安定しません。」
それ以上に「選択」が大切なんです。
では、「どうして選択が大切なのか?」説明していきますね。
例えば、Aさんは的を狙ってストロークを打った時、約1mの円の中にはボールがコントロールできるとしましょう。
では、このAさんがサイドラインギリギリの所を狙って打ったとしたら?
ボールがコート内にインする確率はどれぐらいでしょう?
普段通りの実力を発揮しても、コートにインする確率は50%ですよね。
だって、ライン上を狙っているわけですから半分はアウトします。
では、コートのコーナーギリギリを狙って打った場合の確率は?
こちらは3/4はアウトします。
つまり、インする確率は25%です。
では、サイドラインから1m中の位置を狙った場合は?
これは普段通りの実力を発揮すれば100%インするでしょう。
同様にして、コーナーもベースラインから1m、サイドラインから1mのところを狙ったら?
これは100%インする事になります。
ここで大切なのはどちらも、普段の実力通りにも関わらず、確率が大きく違う
つまり、安定性が変わると言う事です。
サイドライン上を狙えば、50%の確率に。
コーナーギリギリを狙えば、25%の確率に。
ラインから1m中を狙えば100%の確率に。
どれも普段の実力通りであってもこんなにプレーの安定性は変わるのです。
これが「選択が大切」と言う意味です。
いくら、自分は普段通りの実力を発揮しても(調子が良くても)打とうとするボールの選択を間違えるとプレーは不安定になってしまうのです。
つまり、プレーを安定させる為には、ミスにならない位置を狙う選択が必要なんです。
もちろん、これはラインだけの問題ではなく、高さ(ネット)も同様です。
ですから、プレーを安定させるには、まず、今の自分はどれぐらいの範囲なら確率よくボールをコントロールする事ができるのか?
この事を知る必要があります。
そして、プレー中はその範囲を考慮した位置にボールを打つ「選択」をする必要があります。
3mの範囲なら、3m中に打つ選択を。
4mの範囲なら、4m中に打つ選択をする必要があります。
今の自分の技量を超えた位置を狙うとプレーは急激に不安定になります。
もちろん、この範囲はボールのコントロールする技量が高まるにつれて向上するので、その時は狙い所も変わるというわけですね。
こうして考えてみると非常に単純で当たり前の事です。
ところが、実際にはこの事に気がついていないプレーヤーが非常に多いです。
その為に、プレー中にミスする原因は「技術が足りないから」と思ってしまうわけです。
そして、ひたすら技術練習を繰り返します。
でも、残念ながら、このような方は技術練習を繰り返しても結果は不安定なままです。
だって、選択を間違っている限りは確率は上がりませんから。
プレーを安定させるには、今の自分の技量に応じた狙い場所に打つ事です。
また、「その選択ができるか?」が一番大切なのです。
逆に言えば、ボールをコントロールする技量が今のままでも、選択を間違えないようにすれば、次の瞬間からプレーが安定する事になります。
いかがでしょう?
ボールをコントロールする技量以上に選択が大切な事はお分かりいただけたでしょうか?
もし、あなたが「もっと安定したプレーをしたい!」と考えているなら、一度、「選択」を見直してみてください。
それを見直すだけで、急激にプレーは安定すると思いますよ。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
フィーリングテニス
戸村基貴
写真提供:小林一仁(zonephotography)
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