今日のテーマは「焦り」です。
「急いては事を仕損じる」
こんな諺があります。
何事も焦っていては良い結果は出ません。
また、落ち着きを無くした状態でいくら頑張って練習しても、その効果は期待できません。
これはテニスも同じです。
ですが、「焦るな、落ち着け」と言われても、簡単に落ち着ける物ではありません。
頭で落ち着こうと思っても実際には中々難しい物です。
では、人はなぜ焦るのでしょう?
どうして落ち着く事が出来ないのでしょう。
実は焦りの裏側には「良い結果を出したい」と言う欲求があります。
この欲求が強くなれば、なるほど、落ち着きを無くし、焦る傾向が強くなります。
逆にどうでも良い事に関しては焦りは発生しません。
つまり、焦りを無くし、落ち着く為には「良い結果を手放す」必要があるわけです。
ところが練習とは上達を望み、取り組む物です。
ここに矛盾が発生します。
「上手くなりたい」と願って練習するにも関わらず「良い結果を望まない」と言うわけですから、大きな矛盾です。
ですが、実はこの矛盾の中にこそ、飛躍的に上達するヒントが隠されています。
一般的な指導や練習では、良い結果を出す事を目標にします。
例えば。
「どうすれば、トップスピンがかかるか?」
「どうすれば、狙った所にコントロール出来るか?」
・・・・
こういう練習をします。
ですが、このような練習をしている限り、焦りが無くなる事はありません。
何故なら、常に「うまく出来たかどうか?」が意識の焦点になるからです。
意識の焦点が結果に向いている限りは必ず、「良い結果を出したい」と言う欲求に繋がります。
そして、この欲求は、大なり小なり焦りを発生させます。
さらに焦りはテニスが伸び悩む原因になります。
ですから、まずは焦りを無くし、練習する事がとても重要になります。
その為には、結果を手放す事が求められます。
つまり、「良い結果を求めず、どんな結果にもこだわらない」状態を作る事です。
こんな状態になる事が出来れば、例え、どんな結果が出ても、それが気にならなくなります。
この時、初めて焦る必要がなくなり、素直にボールと向き合う事が出来ます。
テニスが飛躍的に上達する為にはこの状態に入る事が必要です。
ところが、一般的にはこんな風に仰る方が多いです。
「上手く出来たかどうかを意識しないと上手くなるはずがないじゃないか」と。
確かにその気持ちはとてもよく分かります。
私も以前はそう思っていましたから。
ですが、本当は違います。
人間が備えている能力を引き出すには逆に意識しない方が良いのです。
ちなみに、私達人間が人生の中で最も成長する時期はいつか?
これは赤ちゃんの時です。
私達は、生まれて間もない赤ちゃんの時が最も急成長します。
その理由は「良い結果を出したい」と言う欲求が無いからです
もちろん、焦りもありません。
その為に、高い集中力を維持し、短期間の間に様々な成長を遂げるわけです。
ところが、大人になるにつれて、「良い結果を出したい」と言う欲求が強くなり、それが焦りに繋がります。
そして、集中力が低下します。
これでは、本来の能力を発揮する事は出来ません。
ですが、大人であっても、焦らず、集中力が高い状態になる事が出来れば、短期間で様々な事を吸収する事が出来ます。
ただ、その為には「良い結果を出したい」と言う欲求に振り回されない必要があります。
つまり、赤ちゃんと同じ状態になる必要があるという事です。
この事に気づけると「良い結果を出したい」と言う欲求を手放す事がとても重要である事が分かります。
ところが、一般的な常識では「上手くなる為の努力をしないと上達しない」と考えられています。
赤ちゃんの時は努力などしていないにも関わらずです。
あなたにはぜひ、この常識から抜け出して欲しいと思います。
そうして、ただ、素直にボールと向き合ってみてください。
ボールに素直に向き合う事が出来れば、いろんな発見が見つかります。
実は「良い結果を出したい」と言う欲求を手放すと不思議といろんな気づきや閃きが生まれるんです。
新しいヒントが見つかるテニスは本当に楽しい物です。
自分の能力に伸びしろがある事も感じる事が出来ます。
その為には、「良い結果を出したい」と言う欲求を手放す事です。
そうすれば、自然と焦らず、落ち着いてプレー出来るようになってきます。
何事であっても、やはり焦りは禁物なのです。
本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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