自分の身体

テニスの上達の為に
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今日のテーマは「自分の身体」

ほとんどの方は「自分の身体は自分でコントロール出来る」と思っています。
「意識して動かせば、その通りに動く物」と思っているわけです。

確かに腕や手の指などは自分の意思通りに動かす事が出来ます。
ですから、どうしても「自分の身体は自分でコントロール出来る」と思ってしまいます。

以前は私もそう思っていました。
ですが、実はこれは大きな勘違いです。
自分の身体であっても、自分の意思通りに動かせるわけではないのです。

この事を認める事はとても重要です。
テニスの練習の質、全てが変わります。

自分の身体が「意思通りに動く」という前提で練習をする場合。
自分の身体は「意思通りに動かない」という前提で練習をする場合。

この両者の練習は例え、同じドリルをしていても「その内容や質は全く違う物」です。

前者の方は身体がいつまでも上手く動かず、テニスの壁にぶち当たります。
それに対し、後者は自分の身体が段々分かってきます。
そして、それに並行して、テニスのレベルも上がっていきます。

ですから、今一度、自分の身体と向き合ってみてください。
そして、自分の身体は「自分の意思通りに動かない」という事を認めて欲しいと思います。

それは赤ちゃんを見てもらえるとよく分かると思います。
赤ちゃんは最初、自分の身体をコントロールできません。

その為に、手で何かを掴む事さえ、ままなりません。
「掴みたい」という意思があってもその通りに身体を動かす事が出来ないわけです。

ですが、経験を積むにつれて、段々と物が掴めるようになります。
実はテニスの上達もこれと同じ過程を踏む必要があります。

その始まりが「意思通りに動かない」という事を認める事です。

では、どうすれば、意思通りに動くようになるのか?

先ほどもお話ししたように一般的には身体をコントロール出来ない時は意志の力で身体をコントロールしようとします。
ですが、これではいつまでも自分の身体をコントロールできません。

大切な事は「自分の身体はどう動いているか?」を感じる事です。

赤ちゃん達の脳はまだ未発達なので、思考が働く事はありません。
ですが、成長するにつれて思考が働き始めます。

その為に、意思の力でコントロールしようとするとどうしても思考の影響を受けます。
これでは、意思と身体を繋ぐ事が出来ません。
つまり、「いつまでも身体が上手く動いてくれない」と言う事です。

ところが、「自分の身体がどう動いているか?」を感じるようにすると思考が働きにくくなります。
その為に、脳と身体の結び付きが早まります。

つまり、身体を上手く動かす努力を止めて、身体を感じる努力をするわけです。

「身体をコントロールする努力」
「自分は何をしているか?を感じる努力」

同じ努力でも両者は全く異質の物です。
この質の違いがテニスの結果を大きく変える事になります。

短時間でテニスが上達する事が出来る人は間違いなく身体のコントロールが上手です。
これは間違いがありません。

ですから、身体のコントロールが上手になる事はとても重要な事です。
ですが、単純に「身体をコントロールする努力」をしたからと言って上手くコントロール出来るようになるわけではありません。

大切なのはその過程です。
近い将来、身体が上手くコントロール出来るようになる過程を踏む必要があります。

それが「自分は何をしているか?を感じる努力」と言うわけです。

少し考えてみてください。

自分が何か出来ない事がある場合。
「どんな事をしたいのか?」は分かっていると思います。
ですが、「実際にどう動いているか?」は分からないはずです。

例えば、ボレーが上手く打てない場合。
「どんな風に打ちたいか」は分かっていると思います。

ですが、実際に「どんな風に動いているか?」は分かっていません。
その為に、自分が打っている姿を動画で見ると、衝撃を受けるわけです。
これは自分の身体の実際の動きを分かっていないからです。

ところが、不思議な事に自分の身体を「正しく動かそう」などと思わなくても、実際の動きが分かりさえすれば、身体は自動的に正しく動いてくれます。
つまり、「自分は何をしているか?」を感じるだけで自動的に自分がイメージしている通りに動いてくれるようになるわけです。

この事を理解して練習すると練習の質が変わります。
もちろん、自分の身体を感じる事は簡単な事ではありません。

繊細な違いを感じ取る感受性が必要になります。
冷静に落ち着いてプレーしなければ、何も分からないまま時間が過ぎていきます。

私も同じです。
何時間も練習しても何も気づけない、何も分からないまま、練習を終える事も少なくありません。

ですが、それでも続けていると、気づける事が段々増えてきます。
そして、その気づきがテニスの質を大きく変えてくれます。

「自分は何をしているか?」を感じる練習はその努力に見合う結果を出してくれます。
ですが、「身体をコントロールする努力」は空回りする事がほとんどです。

ぜひ、焦らず、落ち着いて、じっくりと自分の身体と向き合ってください。
身体は必ず、何らかのヒントを与えてくれます。

そして、そのヒントがあなたのテニスを更なる高みに引き上げてくれます。

本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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