両手バックハンドの肩甲骨の使い方

テクニック解説
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今回は両手バックハンドの肩甲骨の使い方についてお話ししたいと思います。
先日、フォアハンドの時の左腕の使い方が肩甲骨や広背筋の使い方と非常に密接に結びついている事をお話ししました。
フォアハンドの左手の使い方

この時にテークバック時に左腕を高く上げて準備するのはこの高さに上げるほうがより大きく肩甲骨から広背筋がストレッチされ、このハリが骨盤の動きと連動し、大きなエネルギーを生み出す事をお話ししました。
では、「両手のバックハンドも同様に利き腕を高く上げてテークバックした方が大きなエネルギーが生み出されるのか?」
答えはノーです。
両手のバックハンドの場合はそれほど高く上げない方が良いと考えられます。
理由は両手の場合は利き腕と非利き腕を同調させて使わないと干渉しあってエネルギーをロスするからです。

試しに両手でグリップを握り、利き腕を頭ぐらいの高さに上げてテークバックしてみてください。
身体のどの部分がストレッチされるでしょうか?
利き腕側の肩甲骨、広背筋はやはり同じようにストレッチされると思います。
ですが、非利き腕側はどうでしょう?
何のハリもなく、非常に不安定なのが分かると思います。
つまり、利き腕側の筋肉は使えるが反対側は全く使えないと言う事になります。
これでは左右のバランスが悪く、全体のエネルギーは小さくなってしまいます。

では、一体どのように使えば良いのか?
ポイントは左右の肩甲骨にあります。
では、ここで画像を観察してみましょう。

錦織圭選手、ジョコビッチ、ナダル、ズベレフと言う、両手バックハンドを武器とする世界のトップ選手達の画像です。
ここで注目して欲しいのは非利き腕の肘の角度です。
みんな同様に肘を曲げてテークバックしているのが分かると思います。
少し、肘を引くようにして準備しているわけですね。

この時、非利き腕側の肩甲骨は背骨に近づき、逆に利き腕側の肩甲骨は背骨から離れる動きをします。
実はこの左右の肩甲骨が入れ替わる事で体幹の捻り戻りのエネルギーを作る事ができます。

両手バックハンドの最も重要なポイントは両手でグリップを持ちながら、スイングのエネルギーを大きくする事です。
利き腕側だけを大きくストレッチしても全体としては大きくはならないんですね。
その為に、フォアハンドの左腕のように高くは上げないのです。

さて、この左右の肩甲骨の入れ替えはインパクト後にもその傾向がしっかりと現れます。

今度の画像はインパクト後の状態ですが、やはり、皆同様に今度は利き腕の肘が曲がって、フィニッシュしていますね。
これはテークバックで作られた肩甲骨の準備が入れ替わった事を表しています。
そして、左右の肩甲骨が入れ替わる瞬間がインパクトという事になります。

両手のバックハンドはこの左右の肩甲骨入れ替えによる捻り戻しのエネルギーを使います。
もちろん、主導は股関節による骨盤の動きなので、ここに肩甲骨の入れ替えを連動させる事が必要になります。
こうする事で身体全体をバランスよく使った、両手バックハンドを身につける事ができます。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

コメント

  1. TK より:

    先日質問させて頂いた件についての詳細解説なのでうれしいです。^^

    1年前に両手に変えて、よく「非利き手主導」というアドバイスをもらうのですが、どのようにお考えでしょうか?

    スタートは利き手の肩甲骨を背骨から遠ざけるのを意識して、インパクトでは非利き手の手の感覚を意識すると上手くいくような解釈をしていたのですが、それも常には上手くいきません。

    • wp_feel より:

      TKさま

      こんにちは。
      いつもありがとうございます。

      なるほど、非利き腕主導ですか。
      間違ってはいないと思います。
      やはり、非利き腕は強いエネルギーを出す事ができるので。
      ただ、非利き腕にしても、利き腕にしても、必要以上に腕に意識が行くのは良くないと思います。
      あくまでも腕は「動かす物」ではなく、「動かされる物」ですし、エネルギーを作る部位ではなく、伝える部位です。
      今回のこの記事もその為の準備だと考えています。
      動きの基本はやはり、下半身からのエネルギーなので、そちらを練習した方が、結果的に腕や肩甲骨も上手く動くと思います。

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