今回はフォアハンドストロークのスピンについてお話しします。
一口にトップスピンと言っても、一昔前のトップスピンと最新のトップスピンでは、全く違う技術になっています。
回転量、推進力共に段違いに威力を増しています。
以前のトップスピンは高い弾道で、大きく落下し、地面にバウンドした後、高く弾むボールが主流でした。
ところで、今では、そんなボールを打っていたのでは、ストロークで主導権を握る事は出来ません。
高い打点から打ち込む技術が急速に高まっている事もあり、ボールの高さを求めるよりも、前への推進力を求められています。
高く弾むだけではなく、より速くて伸びがあるボールじゃないと通用しないという事です。
つまり、トップスピンの回転量だけではなく、ボールを前にしっかりと打てないといけないわけです。
さて、では、そんなボールを打つ為に技術はどう変わってきたのか?
まずはこちらの動画を観察してみましょう。
フェデラー、ナダルを始め、BIG4、ワウリンカ、錦織選手など、最新のトップスピンを駆使するプレーヤーばかりです。
当たり前の事ですが、みんな同じ打ち方ではなく、それぞれの個性があります。
グリップも違えば、振り方も違います。
ですが共通点も存在します。
その一つがインパクトに向かうラケットヘッドの位置です。
出典:ATP Forehands In Slow Motion
こうして見るとどのプレーヤーもラケットヘッドの高さが必要以上に下がっていないのが分かります。
ラケットヘッドが下に下がるとボールへ縦の回転をかけるのは容易になるかもしれません。
ですが、それでは、前への推進力、つまり、ボールの速度や伸びを失う事になります。
最新のトップスピンの技術では、ラケットヘッドをできるだけ、遅らせて、インパクトで一気に前方に振りぬきます。
「下から上」と言うイメージではなく、「後ろから前」にボールをヒットし、前方に向かって弾むようなトップスピンをかけます。
以前はトップスピンをかける為にはラケットダウンさせて「下から上に」と言うアドバイスがありましたが、残念ながら、ラケットダウンすると最新の技術を身につける事ができません。
ちなみにこの技術をに伴って、大きく変化した事があります。
それはテークバックでのラケットヘッドの向きです。
全てのプレーヤーがラケットヘッドは立った状態でテークバックをしている事がわかります。
これもラケットヘッドを下に下げないようにする為に変化した部分です。
本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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