テニスに必要な正しいテークバックとは?

テクニック解説
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今回のテーマはテークバックです。
テニスに必要な正しいテークバックを理解する為に「運動量保存の法則」をご紹介したいと思います。
何やら難しい言葉ですね(笑)

でも実はこれ、テニスに非常に大きく関係します。
理にかなわない努力をいくら頑張っても、テニスは絶対に上達しません。

ではまず、こちらの動画をご覧ください。

Newton Ball tricks

このようなオブジェは誰もが一度はご覧になった事があると思います。

最初の鉄球が持つエネルギーは真ん中の止まっている鉄球にそのまま伝達されて、最後の鉄球だけがはじき出されます。
このような状態は「運動量保存の法則」を証明する物ですが、実はテニスもこの法則が成り立ちます。
と言うよりも、地球上である限り、この法則に則った状態でなければ効率が悪いわけです。

さて、それでは、テニスにおいてこのオブジェが何を意味するのか?
いくつかのポイントがありますが、一番大きなポイントはエネルギーを伝えるには「必ずしも動く必要がない」と言うことです。

その為に、先ほどのオブジェの真ん中の鉄球は動いていないわけです。
にも関わらず、最後の鉄球は弾き出されます。

これをテニスに置き換えて、もし、最後の鉄球がラケットだったら??
ラケットは全く動かなくてもボールがはじき出される事が想像できるでしょうか?

そして、また、最初の鉄球や真ん中の鉄球が人の体(骨や筋肉)だったら?
骨や筋肉がエネルギーを伝え、最後のラケットがボールを弾き出す・・・・

この状態はこの鉄球のオブジェと全く同じ事が起こる事が想像できるでしょうか?
技術を進化させるにはこのイメージが持てるかどうかがとても大きなポイントになります。

世界のトップ選手のプレーを間近でご覧になったことはあるでしょうか?
彼らのプレーを見ているとわかりますが、必ずしも、大きく速いスイングをしているわけではないのです。
彼らのプレーには大きく二つの特徴があります。

1つはスイングがとてもコンパクトである事。
そして、もう1つは体がとてもリラックスしている事。

実はこれこそが彼らが先ほどのオブジェの状態を実現しているからに他なりません。
ボールを飛ばすのに必ずしもスイングが大きい必要はないのです。

と言うよりも、単純にラケットのスイングが大きくなると不安定になる要素が増えるので、技術としてはレベルが高くなれないのです。

テニスの技術の進化は単純に言えば
「より強いボール」
「より速いボール」
「より正確なボール」
「より回転のかかったボール」
を打つ事です。

ですが、単純にラケットを振りまわすだけではこの状態にはなりえません。
特に精度を上げる事が難しくなるわけです。

精度を上げるのに一番簡単な方法はラケット自体をできるだけ動かさない事です。
なぜなら、ラケットの動きが大きくなればなるほど、ラケットの面の向きが変わり、微妙なタイミングが必要とされるからです。

精度だけを求めるなら、ラケットを固定しておけばボールはいつも同じところに飛んでいきます。
ところが、これではボールに威力を与える事ができません。

つまり・・
「より強いボール」
「より速いボール」
「より回転のかかったボール」

これらを実現する事ができないわけですね。

かと言って先ほど言ったようにラケットを大きく動かすと精度が下がります。
つまり、この2つの問題は一見すると相反する問題のように思われるはずです。

ところが、この相反する問題を解決するのが先ほどの鉄球のオブジェなのです。
実は地球上では一度作り出されたエネルギーは保存され次に伝える事ができます。

つまり、体の中で作ったエネルギーを上手くラケットに伝える事ができれば、ラケット自体は大きく動かす必要がなくなるわけです。

これがトップ選手たちのスイングが「とてもコンパクト」「とてもリラックス」している理由なんです。

ボールの精度を上げる為にラケットはできるだけコンパクトに。
それでいてボールの威力を上げる為のエネルギーを伝えないといけません。

その為には筋肉は緊張してはいけないわけです。
筋肉が緊張すると体の中心で作ったせっかくのエネルギーをラケットまで伝える事ができないからです。

その結果、トップ選手たちの体はとてもリラックスしているわけですね。

さて、以上が今日のテーマ「運動量保存の法則」です。
技術の進化の為にはとても大切なテーマなのですが、最初は少しイメージするのが難しいかもしれません。

まずは鉄球のオブジェをテニスに置き換えるイメージが持てるようになってください。
そうすれば、ラケットを大きく振り回す必要がない事に気が付くと思います。

これだけであなたのテニスは大きく進化するはずです。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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