さて、今日はミスの原因について考えてみたいと思います。
一般的にはミスの原因は技術の問題であり「上手くなれば、ミスは減る」と考えがちです。
実際、テニススクールなどでは、ミスが多いとラケットワークや身体の使い方を指導されると思います。
確かに、技術レベルはミスの原因の一つではあります。
ですが、実際には技術レベルよりもメンタル的な問題のほうがその影響は大きいです。
この問題を解決しない限り、技術レベルは高くてもミスが多くて脆いプレーヤーから脱却する事は出来ません。
では、メンタル的にはどんな事がミスの原因になるのか?
今日はそのうちの一つについてお話したいと思います。
さて、いきなりですが、あなたに一つ質問があります。
あなたは試合中、下記の二つのどちらが嫌ですか?
1.相手にやられてポイントを取られる
2.自分がミスしてポイントを取られる
さて、どちらでしょう?
もちろん、どちらもポイントを取られる訳ですから、嫌なのは分かっています。
ですが、強いて言えば、どちらの方が気になりますか?
もし、1のほうが嫌だと感じるのなら、要注意です。
アンフォーストエラーが多い、脆いプレーヤーになる可能性があります。
なぜなら、「相手にやられるのは嫌だ」と言う思いが強いと、どうしても、仕掛けが早くなるからです。
簡単に言えば「相手にやられる前にやっつけないと!」と思っていると言う事です。
その為に「いつも焦ってポイントを取りに行くテニス」になりがちです。
これではミスが中々無くならないのは当然の事です。
それに対して、「自分がミスをしてポイントを取られる事」が嫌な場合はどうか?
自分からアンフォーストエラーする事を避けるようになります。
続けて練習していくとミスは減少していくでしょう。
このように技術レベルに関係なく、自分が「気になる物」によっても、ミスの数は大きく変わります。
ただ、ここで一つ注意するべき事があります。
それは「2番の考え方も万能ではない」という事です。
先ほどもお話ししたように、「自分がミスをしてポイントを取られる」事が気になると確かにミスは減ります。
ですが、この想いが強すぎると、今度は「ただミスをしない消極的なテニス」になる可能性が出て来ます。
これは長期的には大きな問題です。
もちろん、消極的なテニスでもある程度のレベルには勝てるようになります。
ですが、その上のレベルに当たると守り切れずに負けてしまう事になるでしょう。
実はこの両者はどちらかに優劣があるわけではないのです。
「時と場合によって、両方が必要になる」
つまり、バランスが大切という事です。
このバランス感覚を身に着ける為には、客観的に戦況を見極める必要があります。
「今、試合の流れはどのようになっているか?」
「自分のアンフォーストエラーは多いか、少ないか?」
「相手の攻撃力はどうか?」
「それに対する自分の守備力はどうか?」
こういう物が冷静に把握できている必要があります。
戦況が把握できていれば、「自分がミスをしてポイントを取られる」事を最大限避けるのか?
それとも「攻められる前に、攻める必要があるのか?」
この判断が出来ると言うわけです。
ただ、いずれにしても、「相手にやられてポイントを取られるのは嫌だ」と焦ってはいけません。
それでは、ただの自滅になってしまいます。
あくまでも「自分がミスしてポイントを取られる事を最大限に避ける」事が大切です。
それでいて、「攻め所を逃さない」ようにするのです。
試合では、このようなゲームセンスが必要です。
試合中のミスとゲームセンスは直結しています。
「技術レベルだけではミスを減らす事が出来ない」と言うのはその為です。
ただ、逆に言えば、仮に技術が今のままでも、ゲームセンスを磨けば、ミスは自然と減る事になりますし、今より試合は強くなります。
とは言う物の「技術レベルを磨く必要は無い」と言っているわけでは、もちろん、ありません。
技術、ゲームセンス、または、メンタル、フィジカル・・・
「様々な要素に興味を持ってほしい」という事です。
テニスはバランスで成り立っています。
どれかに偏ってしまうと、努力は空回りします。
ご注意ください。
本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。
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