テニスの試合で集中力を高めるコツ

メンタル
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今回はテニスの試合で集中力を高めるコツについてお話しします。
そのコツとは「手放す事」です。
人は「欲しい」と思った物をなかなか手放す事ができません。

「欲しい」と思った物は何とか手に入れようと努力します。
これはとても自然な行動です。

例えば、テニスの試合であれば
「試合に勝ちたい」
こんな風に誰もが思う事でしょう。

また、それ以外にも
「ボールをコントロールしたい」
「サーブを入れたい」
「トップスピンを打ちたい」
「このポイントを取りたい」
・・・・・・

無数の「欲しい」物が存在します。
そして、この「欲しい」物が手に入るように、「欲しい」「欲しい」と願います。

そして、一生懸命努力して、練習をします。
なぜなら、そうする事が「欲しい」物を手に入れる唯一の方法だと思っているからです。

ところが、ここに大きな落とし穴があります。
実は「欲しい」物は欲すれば欲するほど、手に入らないのです。

理由は「欲しい」事に集中してしまい、本質に集中する事ができないからです。

例えば、「ボールをコントロールしたい」を手に入れる為にはボールとのタイミングを合わせないといけません。

いくら正しいフォームであっても、タイミングがずれてはボールはどこに飛ぶかわかりません。
ボールとのタイミングを合わせるには精度の高いボール情報が必要です。

精度の高いボール情報とは、ボールの回転や速度、距離などの事です。
「どれぐらい飛んできて、どれぐらい弾むか」と言う感覚的な事ですね。

これらの精度の高いボール情報はボールへの集中力が高まった時だけキャッチする事ができます。
意識が他に向いていたのでは、ボールは見えていても、感覚的な事はキャッチできません。

ただ、逆も然りで、ボールへ集中さえすれば、自動的に精度の高いボール情報をキャッチします。
その為に、特にタイミングを合わそうとしなくても、自然とボールとタイミングは合うようになります。

つまり、「ボールをコントロールしたい」と言う思いと実際にボールをコントロールする条件は全く別の物なんですね。

ですから、「ボールをコントロールしたい」と欲する事は必要がないんです。
と言うより、逆に「ボールをコントロールしたい」と言う思いがボールへの集中を邪魔する雑念になるわけです。

これが「欲すれば欲するほど手に入らない」と言う理由です。

もちろん、「ボールをコントロールしたい」と言うモチベーションは大切です。
その思いがなければ、エネルギーは生まれませんし、集中力も高まりません。

ただ、「ボールをコントロールしたい」と言う思いは、あくまでもエネルギーです。
ボールをコントロールする為に必要な条件ではないのです。

ここが深く理解されると「手放す」事が大切な事がわかると思います。

試合に参加すれば誰もが「勝ちたい」と願います。
ですが、「勝ちたい」「勝ちたい」と欲しながらプレーをしている人は「勝ちたい」事に集中しているんですね。

ですから、「ボールに集中している」わけではないのです。
その為に、ボールと同調できずに、空回りをするのです。

その結果、プレーのパフォーマンスは波の大きな荒いプレーになり、結局、試合には勝てないのです。

この場合も先ほどのボールのコントロールと同じです。
試合で勝つ条件と「勝ちたい」と言う思いは全く関係がありません。

もし、「勝ちたい」と言う思いが試合の結果を左右するなら誰もが錦織選手に勝てるはずです。

もし、錦織選手が私達と試合をする事があれば、彼は私達に勝ちたいなどと思う事はないはずです。
ところが、私達は強く「勝ちたい」と願うでしょう。

では、結果はどうなるか?
もう、お分かりですよね。

先程も言ったように「勝ちたい」と言うエネルギーは非常に大切です。
ですが、「勝ちたい」を意識する事はかえってパフォーマンスを下げる事になります。

では、どうすれば、最高のパフォーマンスを発揮し、「勝ちたい」思いを手に入れる可能性を高める事ができるのか?

それが「勝ちたい」思いを手放す事なのです。
「勝ちたい」と願う自分の思いを一旦、手放し、本質にだけ集中するんです。
つまり、ボールですね。

「勝ちたい」と思っている事で十分なエネルギーを持っています。
このエネルギーを単純に「勝ちたい」と言う思いで使うのではなく、ボールへの集中力に変換するのです。

この変換の過程こそが「手放す」事の本当の意味です。
また、実際に欲しい物を短時間で手に入れる最高の方法なのです。

テニスは上達すればするほど、「欲しい物」が増えます。
どんどん欲深くなります。

「もっとあれもしたい、これもしたい」となるわけですね。
これ自体は悪い訳ではありません。

自分に自信ができて、モチベーションが高まっている状態ですから。
ですが、その思いで単純に練習しているとテニスはスランプに陥ります。

これは、ある一定のレベルに達するとテニスの上達が止まる理由でもあります。
止まる事なく、上達し続けるには「欲しい物」が増えても、「手放す」事を学ぶ事です。

欲しくなれば、欲しくなるほど、それを手放すようにしていくんです。
「欲しい⇒手放す」「欲しい⇒手放す」
これを繰り返すんですね。

こうする事で、欲しい物に対して、エネルギーを高め、本質に集中できるようになります。
それが欲しい物を最短時間で手に入れる唯一の方法です。

ぜひ、今度の練習では、「手放す」を練習してみてください。
きっと、新しいヒントを見つける事ができるはずです。

本日のお話は以上です。
いつも長文およみいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

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