テニスの上達に必要な「光と影」の考え方

テニスと大脳生理学
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今日のテーマは「光と影」です。

光と影はそれぞれ単体では存在する事は出来ません。

光が存在できるのは影があるからです。
同じように影が存在できるのは光があるからです。

光と影はお互いの存在を支えあう事で初めて存在する事が出来ます。
光と影に優劣はありません。

ところが、場合によっては、光をポジティブに捉え、影をネガティブに捉える事があります。
それはそれぞれの持つ特徴から、個人が勝手に決めた価値観です。

ですが、本来、この両者には優劣はありません。
お互いを支えあう、言わば、不離一体と言える物です。

実はテニスの覚え方も非常に良く似ています。

テニスは本来、練習を繰り返せば、必ずボールをイメージ通りに操れるようになります。
では、なぜ、このような事が出来るようになるのか?

実はイメージしているボールが打てる理由はイメージしているボール以外の情報が蓄積されたからです。
イメージしているボール以外の情報を得る事で、イメージしているボールとの違いを認識できるからなのです。

この関係は光と影の関係に非常に良く似しています。
光は光だけでは、周りとその違いが認識できず、存在する事が出来ません。
影があって初めて、その違いが認識できる、つまり、存在する事が出来るわけです。

実は脳の中でも、これと同じ関係が作られています。
「イメージしているボール」は「イメージしているボール以外」の情報があるからこそ、存在する事が出来るのです。
つまり、「自分が打ちたいボール=光」「それ以外のボール=影」と言うわけです。

この事に気づけると「自分が打ちたいボール以外の結果」が非常に大切な事が分かります。
一般的にはミスと言われる結果を体験し、その情報を蓄積する事が必要だという事です。
と言うより、むしろ「自分が打ちたいボール以外の結果」の方が大切なのです。

「自分が打ちたいボール以外の結果」が蓄積されれば、自動的に「自分が打ちたいボール」が存在できるからです。

光ばかりを求めても、光は光として存在する事は不可能です。
それよりも影を作れば良いんです。
その時、光は自動的に存在します。

テニスも同じです。
「自分が打ちたいボール」をコントロールしたければ、それ以外のボールを経験し続ければ良いんです。
そして、その情報をありのままに蓄積する事です。
そうして、脳の中に「光(自分が打ちたいボール)」と「影(それ以外のボール)」の関係が出来た時、自動的にイメージしているボールが打てるようになります。

ところが、一般的な指導や練習では、真逆の方法を実践します。
「イメージする結果」を求め、それを覚える為に練習します。
そして、「イメージする結果」以外を否定し、その情報を蓄積しようとはしません。

ですが、これでは「影(ミス)」の存在を否定し「光(成功)」だけを追い求めている事になります。
その為に「イメージする結果」は存在する事が出来ず、結局はいつまでも上達する事が出来ないわけです。

世の中の現象に優劣はありません。
「良い事」も「悪い事」も存在しません。
ただ、その現象が在るだけです。

個人の価値観によって、取捨選択された状態は不完全で不安定な状態です。
全ての現象が存在して初めて、自然な状態になります。

例えば。
「晴れの日」と「雨の日」
「雨が降るとテニスが出来ない」からと言って「晴れの日」ばかりになったらどうでしょう?
そんな世の中はとても不自然ですぐに滅んでしまいます。

個人の価値観とはそういう物です。
個人の価値観はある一面から捉えたとても限定的な物だという事です。

個人が望む物と相反する物が存在してくれるからこそ、実は自然な状態が存在します。
人間本来の能力を引き出すにはこの価値観から抜け出す事が大きなテーマです。

テニスをすれば、その事がとてもよく分かります。
「良い結果(光)」ばかりを求めず、目の前で起こった出来事は「良い結果(光)」も「悪い結果(影)」も全て、ありのままに受け容れます。

この状態で練習する事が出来れば、驚くほど短時間でテニスは上達する事が出来ます。
本来の能力を引き出せない一番の理由は「自分自身の価値観」だと言う事ですね。

本日のお話しは以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

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