プレッシャーがかかってサーブが打てなくなった時には?

メンタルトレーニング
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「大事な場面になるとトスが上手く上がらなくなる・・」
「プレッシャーがかかると、サーブが入らなくなる・・」
こんな事ありませんか?

試合でプレッシャーがかかると影響が出やすいのがサーブです。
特にトスは非常に繊細な感覚が必要です。

プレッシャーがかかって、身体が硬くなった状態では、乱れてしまうのはある意味当然です。
トスが乱れ始めるとサーブは極端に確率が下がり始めます。
こうなると、当然、サービスゲームがキープしにくくなりますよね。

その結果、余計にプレッシャーが大きくなって悪循環って事になります。
その為に、プレッシャーがかかった時に「サーブはどうすれば良いのか?」を知っておく事はとても大切な事です。

事前に対処法が分かっていれば、状況を打破する事も可能です。
そこで、今日はプレッシャーがかかった時のサーブやトスについて考えてみたいと思います。

サーブでプレッシャーを感じやすいのはどんなプレーヤーか?

では、まず、サーブでプレッシャーを感じやすいのはどんなプレーヤーか?
まずはここから考えていきましょう

プレッシャーとは雑念によってボールへの集中力が低下した時に起こる反応です。
つまり、サーブの時に雑念が起きやすいプレーヤーはプレッシャーを感じやすいと言えます。

では、それはどんなプレーヤーか?

・ゲーム展開をサーブに頼っている
・確率より威力を重視している
・セカンドサーブの確率が低い
・普段から調子の波が激しい

これらは代表的な例ですが、いずれも競った場面ではサーブで雑念が起きやすいプレーヤーです。

ゲーム展開をサーブに頼りすぎると、一度狂い始めると、他に方法がありません。
その為に、余計にサーブの出来が気になります。
それが原因で雑念が生まれやすいです。

また、確率よりも威力を重視するプレーヤーは、入れば効果的ですが、確率が下がってくると、余計に威力のあるサーブを打とうとしがちです。
そうなると確率がどんどん下がる悪循環に陥ります。
これが雑念を増幅させます。

次にセカンドサーブの確率についてですが、そもそも、セカンドサーブの確率が低ければ、いつも「入るかどうか?」を心配する事になります。
これでは、少しのプレッシャーですぐに崩れてしまいます。

また、普段から調子の波が激しいプレーヤーは、自分でもその事は自覚しています。
その為に、一度調子が乱れるとマイナスイメージが膨らみ始めます。
それが雑念となり、プレッシャーが大きくなります。

ちなみに一般的には精神的に弱いと「プレッシャーを感じる」と思われがちですが、それは違います。
プレッシャーを感じるにはちゃんと理由があります。

その理由を取り除く事でプレッシャーに対応する事は可能です。
逆に言えば、いくら精神力を鍛えようとしても、本当の原因が改善されないと「サーブでプレッシャーを感じる状態」はいつまでも改善される事は無いとも言えます。

どんな時にサーブにプレッシャーがかかるのか?

では、次にどんな時にサーブにプレッシャーを感じやすいか?
その場面について考えてみましょう。

・自分のサーブのブレークポイント
・自分のサーブのゲームポイント
・大事なゲームのサーブ
・相手のレシーブ力が安定している時
・相手がレシーブで攻撃してくる時
・自分のサーブの調子が良くない時
・威力のあるサーブが必要な時

これらはサーブでプレッシャーを感じやすい一例です。
いずれの場合もサーブに対する期待値が高い時です。

期待は不安と表裏一体です。
その為に期待値が上がるとプレッシャーを感じやすくなります。

つまり、特別にサーブに対して期待をしてしまう時は「間違いなくプレッシャーを感じやすい時」だと言えるわけです。

サーブにプレッシャーがかかるとどうなるか?

では、次にサーブでプレッシャーがかかってしまったら、どうなるか?
その状態について紹介します。

・トスが安定して上がらない
・ボールが暴発し、コントロールが定まらない
・身体の動きが硬くなり、スムーズに打てない
・足元がフワフワして、身体に力が入らない
・スピンやスライスなどの回転がかからない
・普段より著しく威力が低下する

これらはほんの一例で、他にも様々な悪影響が出て来る可能性はあります。
ただ、いずれの影響も原因は一つです。

雑念による、ボールへの集中力が低下する事、そして、その為に身体が「闘争・逃走反応」を起こしている事です。
闘争・逃走反応は別名「戦うか・逃げるか反応」とも呼ばれ、急性ストレス反応の一つです。

この反応が起こると身体には様々な生理的反応が起こります。
プレッシャーを感じた時に起こる特有の反応はこれが原因です。

サーブにプレッシャーがかかりやすい理由

では、なぜ、サーブはプレッシャーがかかりやすいのか?
実は理由はとても簡単です。

テニスの試合ではサーブが与える影響を非常に大きいからです。

サーブは相手に影響を受けず、自分だけで打てる唯一のショットです。
その為に、ある意味、結果は自分次第です。

ですが、これは諸刃の剣とも言えます。
なぜなら、サーブの責任は全て自分にかかっているからです。

効果的なサーブが打てれば、相手にプレッシャーをかける事が出来ます。
ところが、そうでなければ、自分にプレッシャーがかかります。

その為に、気になる事が増える事で雑念が生まれやすいショットと言えます。

さらに、サーブにプレッシャーがかかりやすい理由がもう一つあります。
それは、テニスでは、サービスゲームをキープするのが鉄則です。
逆言えば、「サーブを落とすと負ける」という事です。

もちろん、自分のサービスゲームを落としても、相手のサーブをブレークすれば勝つ事は出来ます。
ですが、圧倒的に不利な事は間違いがありません。

つまり、サーブは試合の結果を決定する要とも言えるんです。
実際にサーブが良いプレーヤーは安定した強さを発揮します。

ただし、良いサーブと言うのは単純に「威力のあるサーブが打てる」と言う意味ではありません。
サービスゲームを安定してキープ出来るバランスの取れたサーブがレベルの高いサーブと言えます。

トッププロの間でも必ずしもビッグサーバーがランキング上位にいるとは限らないですよね。
もちろん、サーブに全く攻撃力が無ければ、勝つ事は難しくなりますが、飛びぬけてサーブに威力がなくても、全体のバランスでキープ力が高い選手はたくさんいます。
と言うより、むしろ、そのようなプレーヤーで無ければ安定した強さを発揮するのは難しいと言えます。

プレッシャーがかかった時のサーブの対処法

では、最後に実際にサーブにプレッシャーがかかってしまった時の対処法について考えてみます。
あなたにも参考にしていただける部分があると思います。
良かったら参考にしてみてください。

トスを安定させない

まず、もっとも大切な事は安定してトスを上げようとしない事です。
一般的には、力を抜いて、丁寧にトスを上げて安定するようにアドバイスされると思います。

ですが、実際にそれを実践してみると分かると思います。
いくら頑張っても普段と同じように出来ません。

何故なら、プレッシャーがかかってしまった身体の状態はいつもとは全く違う感覚になっているからです。
その為に無理に、普段通りのトスを上げようと意識すれば、するほど、身体は硬くなって動かなくなります。
つまり、逆効果になります。

では、こんな時どうしたら良いか?
トスを安定させる事を諦める事です。

普段通りのトスに拘らず、多少トスが乱れても、気にせず、ボールに集中しタイミングよくヒットするようにします。
トスを気にせず、ボールに集中していると次第に雑念が無くなります。
そうすれば、身体の硬さが抜けて、いつもの動きに近づいてきます。

トスを安定させようと、すれば、するほど、泥沼にはまってしまうので、この泥沼にハマらないように注意してくださいね。

普段通りのサーブを打とうとしない

次は普段と同じサーブを打とうとしない事です。
先ほどのトスと同様、ポジティブに諦める事がとても重要です。

諦めると言っても勝負を捨てると言う意味ではもちろん、ありません。
と言うより、むしろ逆です。
例え、普段通りのサーブが打てなくても何とか、ボールに食らいつくと言う意味です。

プレッシャーがかかってしまう原因は過去や未来の結果が気になり、ボールへの集中力が下がっている事です。
その為に、普段通りのサーブを打とうとする事は余計に雑念を膨らませる事になります。

ボールへの集中力を上げるには普段のサーブに拘らない事です。
そして、今出来る事だけに全力を尽くす事です。

身体が硬くなって普段通りに動かないのであれば、その状態なりに全力を尽くしましょう。
普段通りのサーブを打とうとすれば、かえって集中力を失ってしまいます。

繊細な感覚を諦める

先ほどもお話ししたようにプレッシャーがかかった状態は普段とは全く違う物です。
身体を繊細な感覚で動かす事が出来ません。
となれば、当然、繊細な感覚が必要になる精度の高いコントロールや微妙な感覚を必要とするサーブを打つ事はとても難しくなります。
このようなサーブを打つのは一旦諦めましょう。

その代わり、大雑把でも、慎重にならないサーブを選択します。
そうして、ボールへの集中力を取り戻してきます。

雑念が消え、ボールへの集中力が高まってくると、身体も落ち着いて普段に近い動きが出来るようになります。
その時までは繊細な感覚を必要とするサーブは使わないようにしましょう。

絶対に避けなければいけない事

最後に絶対に避けなければならない事をお話します。
それは、闇雲に思い切って、プレッシャーに打克とうとする事です。

プレッシャーに対応する事は素質や才能ではありません。
トレーニングや経験で身に着けるスキルです。

このスキルを身に着けるには、その状況を数多く経験する必要があります。
経験した分だけ、経験値が蓄積され、それがスキルアップになります。

経験値を積み上げるには、その場を冷静に対処しなければ、ただ、闇雲に頑張るだけでは経験した事にはなりません。
例え、その試合はプレッシャーに押しつぶされて、思うような結果が出なくても、次の試合に繋がる経験をする事が大切です。

それを考えると最も避けなければならない事はとにかく、力ごなしにプレッシャーに打克とうとする事です。
これを繰り返している事は、経験値を積み上げている事にはなりません。

その為に、いつまでもプレッシャーに対処するスキルを身に着ける事が出来なくなります。

結果は別にして、出来るだけ落ち着いて、プレッシャーと正面から向き合いましょう。
プレッシャーを感じている自分やその為に、硬くなってしまっている自分を認める事です。

残念ながら、プレッシャーがかかってしまうと普段の調子や感覚を求める事は無い物ねだりです。
一旦それを諦めて、その上で「今やれる事」に全力を尽くします。

そうする事でボールへの集中力を高める事が出来ます。
そして、プレッシャーがかかる場面での経験値を増やす事が出来ます。

経験値を蓄積すれば、だんだんとプレッシャーに対処するスキルも身に付きます。
とにかく、焦らない事です。

大丈夫です。
あなたにも必ず出来るようになります。

それまで、何度でも挑戦してください。
私も応援しています。

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