試合では焦らず、相手にアジャストする力が必要です。

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今回のテーマは「アジャスト」

試合は「強いから勝つ」わけではないんです。
もちろん「上手いから勝つ」わけでもありません。

「崩れないから勝つんです」

試合はどちらかが勝つのではなく、どちらかが負けるのです。
その為にアジャストする力が非常に大切になります。

試合って明らかに「上手そう」「強そう」な人が勝つわけではありません。
それどころか「どうしてこの人が??」
なんてことがたくさんあります。

この意味や理由を理解し、身につけないと正直試合で結果出すのは難しいです。
この感覚がわからないといくら上手くなっても試合では結果が出ないんです。

「上手くなっているのに。。。なかなか勝てない。。」
こんな状態がずっと続きます。

試合で勝てる人は頭では理解していないかもしれませんが、感覚的に「相手が負ける」方法を知っているんです。

また、それを実践できるんです。
つまり、「相手が負ける」=「試合に勝つこと」
こういうステップを踏んでいるんですね。

ところが、いくら技術が上手くなっても「自分が勝つ」または「自分が上手くなり」=「試合に勝つこと」
このイメージのままだと試合って強くならないんです。

例えば、2016年ツアーファイナルの錦織選手のジョコビッチ戦。
惜しくも錦織選手が負けてしまった試合がありました。

最終セットにもつれ込んだ時には「勝てる!」と思ったんですが、結局負けてしまいました。
ですが、この試合で錦織選手が既にジョコビッチに勝てるレベルにある事が完全に証明された試合でした。

この試合について、私が感じた事をシェアしたいと思います。
世界最高レベルで起こった事ですが、メンタル的には非常に良くある事です。

そして、またそれはテニスのレベルは違えど、私達やあなたにも同じ事が起こる可能性が非常に高いです。
良かったら参考にしてみてください。

この日、ジョコビッチは最高の立ち上がりを見せました。

前々回のUS OPENでの対戦の事が彼の頭の中にあったのでしょう。
「錦織選手を調子つかせてはいけない」と。

実際、US OPENでの時の錦織選手は本当に手の付けられない状態でした。
あのジョコビッチが何もできず、最後はプレッシャーで崩れていきました。

あのような内容にならない様にする為だと思います。
ジョコビッチは序盤から非常に高いギアでプレーに入りました。

実際、ファーストセットでは彼は上手く、高いレベルのプレーを展開しています。
このセットだけを見ていると錦織選手は何もできず、完全にジョコビッチペース。

誰もが早々と錦織選手が敗退する事をイメージしたと思います。
ですが、セカンドセットに入ると段々形勢が変わっていきます。

では、なぜ、こんな事が起こったか?
理由は錦織選手のメンタルの強さです。
普通、あれだけコテンパンにやられて、何もできないとパニックになるものです。

そして、焦って、自分から不必要にギアを上げてミスを連発し、自滅する。
こんな状態が非常に多いのです。

ご自分の試合と照らし合わせてみてください。

自分よりも強い相手と対戦し、ガンガン攻められてやられると「何とかしないと」と思って、無理をして自分のミスが増える。。。

そんな状態を経験した事がありませんか?
ほとんどの場合はそうなるんですね。

でも、錦織選手は違いました。
ここで、必要以上にミスをしないよう、徐々にジョコビッチのペースにアジャストしていきます。

これがこのセカンドセットで形勢が逆転した一つ目の理由。

そして、もう一つの理由。
それは、ジョコビッチがファーストセットのギアを上げすぎていた事。

人間は高い集中力を維持できる時間に限りがあります。
その時間を過ぎると集中力にムラが出てきます。

このムラがジョコビッチにもやってきたと言う事です。
序盤のようにレベルの高いプレーを展開しても錦織選手が段々それに合ってきた。

その結果、セカンドセットに入り、ジョコビッチのほうに少しずつミスが出てきました。
つまり、ジョコビッチの集中力は少しずつ下がり、錦織選手が段々上がってきた。

そして、このグラフが入れ替わったのがセカンドセットの終盤です。
その結果、錦織選手がセカンドセットを取りました。

ファーストセットの二人の出来からみると考えられない展開です。

そして、迎えたファイナルセット。
ジョコビッチの初めてのサービスゲームでいきなり15-40のブレークチャンスが来ます。

ここで、錦織選手が決定的なミスをします。
それは、不必要にギアを上げすぎた事。

きっと「このゲームを取れれば」と思ったのでしょう。
場合によってはこの時点で「勝てる」または「勝ちたい」と思ってしまったのではないでしょうか。

その途端、ボールへの集中力が下がり、不必要なギアに上げてしまいました。
その結果、錦織選手が2ポイントミスをし、結局このゲームをブレークできませんでした。

ここが今回の試合で錦織選手が勝てなかった一番の理由だと思います。

試合に「たられば」はありませんが、もし、彼がここで焦らず、
ボールへの集中力を上げる事で自然にゆっくりとギアを上げる事が出来てたら。。。。

多分、全く違う展開になっていたでしょう。
ですが、逆に言えばこれがジョコビッチの凄さとも言えます。

あの錦織選手にして、あの場面で「勝利」がちらついてしまった。
それは錦織選手がジョコビッチの凄さを知っているからです。

自分よりも格上のプレーヤーを意識するとどうしても「勝ちたい」という気持ちが強くなります。
その気持ちがあの場面で錦織選手のボールへの集中力を下げてしまったんだと思います。

後はご存知のように0-6で負けてしまいました。

いかがでしょう?
こうして見てみると私達にも同じような経験がありませんか?

こういっては非常に失礼ですが、メンタル的な動きが非常にわかりやすい試合でした。

ポイントをまとめると。
・相手が良いプレーをしても焦らず、ボールに集中する
・相手の集中力にも限界がある
・ギアは急激にあげない(ボールへの集中力が上がり方と同調させる)
・最後までボールへの集中力を維持する

こんな感じでしょうか?

これはジョコビッチや錦織選手のようなトップ選手だけに言える事ではありません。
アマチュアの誰でも、初級レベルから上級レベルまでみんな同じなんです。

これが試合です。

技術だけでは絶対に結果は決まらないんです。
あなたにも同じ事が言えると思います。

本日のお話は以上です。
良かったら参考にしてみてくださいね。

いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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