ダブルベントとストレートアームの違い

テクニック解説
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今回はダブルベントのストロークとストレートアームの違いについて解説してみたいと思います。
現在フォアハンドストロークの技術には大きく二つの種類があります。
それがダブルベントとストレートアームです。
ダブルベントを使う代表選手はジョコビッチや錦織選手です。
それに対し、ストレートアームの代表選手はフェデラーやナダル、デルポトロです。

数で言えば、圧倒的にダブルベントの選手の方が多いですね。
ストレートアームの選手は少数派と言えるでしょう。
ただ、ストレートアームの選手は強力で決定力の高いフォアハンドストロークを持っている特徴があります。

ちなみに日本人では杉田選手がかなりストレートアームに近い選手ですが他のほとんどの選手はダブルベントで打っています。

では、まず、ジョコビッチとフェデラーのフォアハンドを比較した動画を観察してみましょう。


出典:Federer vs Djokovic Forehand – Slow-Motion

最初にいくつかの特徴的な場面をご紹介します。

これはテークバックの場面ですが、両者の肘の位置と向きを観察してみてください。
ラケットヘッドの向きは両者とも非常によく似ていますが、肘の向きがジョコビッチの方が少し脇に向かいつつあるのに対し、フェデラーの肘は完全に外に向いているのが分かると思います。
実はこの肘の使い方がダブルベントとストレートアームの違いでは非常に重要になります。
そして、その肘はやがて、このように動く事になります。

より両者の肘の使い方が違ってくるのがわかると思います。
ジョコビッチの肘はまさに脇を締めようと動き始めているのがわかると思います。
それに対しフェデラーの肘はまだ背中を向いた状態が維持され、脇が閉まる動きが見られません。

ここではその違いがより顕著に表れます。
ジョコビッチは体幹が動き始める前に脇が締められつつあります。
それに対し、フェデラーは脇がほとんど絞められない状態で既に体幹が前に向かって動き始めています。
そして、後は、インパクトに向かって体幹が大きく動き始めます。
その結果、インパクトする打点はフェデラーは腕が伸びきった非常に前になり、ジョコビッチは肘が曲がった分だけ、少し後ろになります。

以上がダブルベントとストレートアームの大きな違いです。

では、どうすれば、ストレートアームのフォアハンドを身につける事ができるのか?
また、ダブルベントのフォアハンドを身につける事ができるのか?

この二つの技術の違いはスイングに入る初期動作の肘(腕)の使い方と脇の締め具合です。
ダブルベントが腕をスイングする為に脇を締める動作が初期動作として発生するのに対し、ストレートアームでは脇を締める動作をせずにいきなり体幹を動かし始めます。
この違いが二つのフォアハンドを身につける時に最も重要になるポイントです。
また、実はダブルベントとストレートアームの違いは「これだけ」と言っても良いです。

ですから、テークバックから脇を締めないでそのまま体幹を動かす事ができれば、ストレートアームのフォアハンドを身につける事ができます。
ですが、実はこの動きが簡単ではないのです。

通常、私達は日常生活では腕⇒体幹という順番で身体を使います。
この癖を持っているために体幹⇒腕という順番で身体を使う感覚が最初はよく分からないのです。
その為に、スイングに入ろうとすると、つい、自然と腕が動き始め、脇が閉まってしまいます。
脇が閉まる動作が入ってから体幹を動かすといくら「肘を伸ばそう」「打点を前にしよう」と意識してもストレートアームで打つ事ができません。
ここがストレートアームのフォアハンドを身につけるのが難しい理由です。

ですので、もし、「フェデラーのようなストレートアームのフォアハンドを身につけたい」と考えている方は脇を締めずに体幹を動かす事で腕全体を前方に放り投げるようにしてスイングする練習をするのがお勧めです。
決して簡単とは言いませんが、脇を締めずに腕を振る感覚が段々分かってくると思います。

ちなみにストレートアームは腕力や筋力を使わないで、より大きなパワーを生み出す事ができますので、技術的には挑戦する価値がある技術です。
じっくりと基本練習に取り組める方は一度挑戦してみてはいかがでしょう。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいてありがとうございます。

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