空手の演武とテニス

テクニック解説
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前回に引き続き「動きの質」についてお話ししたいと思います。

まずはこの動画をご覧ください。
第21回世界空手道選手権大会 宇佐美里香さん

いかがですか?
この宇佐美選手の動きを見て何を感じましたか?

全く無駄の無い、この切れの良い動きを見ていると感動さえ覚えてしまいますね。
さすがが世界一の演武です。

ちなみに空手の演武は「仮想の相手に対し、攻防の手順を表現する」のが目的です。
その中で、技の理解度、集中力、バランス、パワー、スピードが採点の基準になります。

さて、ここで今日お伝えしたいポイントは「仮想の相手」
ここなんです。

演武は実際には相手と対戦しません。
型だけを競う競技です。

ですが、そこには常に相手がいます。
イメージの中に。

型だからと言って自分の動きを意識しているわけじゃないんですね。
イメージの中の相手と戦っているわけです。

ところが間違えると相手がいなくなって、自分勝手に自分の動きだけを繰り返すことになります。

これでは同じ空手の演武でも全く違うものになるでしょう。
またそのイメージ力がこの演武のレベルの差になって現れるのかもしれません。

では、話をテニスに戻しますね。
テニスでもやはり動きは非常に大切な物です。

でも、その動きにはボールのイメージがあるでしょうか?
空手の演武が仮想の相手と戦うように仮想のボールを打っているでしょうか?

それともただ、自分にとって理想や正しい動きを身に付けようと繰り返しているのでしょうか?

ここに大きな違いが出てきます。
この動画の宇佐美選手の動きの切れやスピードは凄いですよね。

これは自分の筋肉を意識していたのでは出てこないスピードです。
人間には意識運動と無意識運動の二つの質の運動があります。

意識運動とは自分の身体(筋肉)を意識して行う運動。
無意識運動とは自分の身体(筋肉)を意識しないで行う運動。

再現性、スピードともに優れているのは無意識運動です。
これは反射運動にも近い運動です。

実は上級者ほどこの無意識運動を行っています。
そして、伸び悩んでいる人ほど意識運動を行っています。

伸び悩んでいる人はなかなか上手く出来ないのでより意識して動きを改善しようとします。
そうすることでますます動きの精度とスピードが下がり、練習すればするほどテニスが難しくなるのです。

あなたはそんな悪循環にはまりこまないように注意してくださいね。

それにしても宇佐美選手、かっこいいですね。

本日のお話は以上です。
いつも長文およみいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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