威力のあるボールを打つ為のスイングとは?

テクニック解説
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今回は「威力のあるボールを打つ為のスイング」がテーマです。
前回、「末端を動かしてスイングせずに、身体の中心から動き出すようにする」とお話ししたと思います。
この部分をもう少し具体的にお話しします。

末端を動かすことで身体を動かすスイングしか体験した事がない人にとって、身体の中心から動く事は最初はかなり戸惑う事です。
場合にはよっては末端でスイングする事と中心でスイングする事の違い自体がわからないかもしれません。
ですから、最初は特にじっくりと練習する必要があります。

ただ、中心で動き始めるスイングが身に着くと、動作の再現性が増し、それでいて強いパワーをボールに伝える事ができるようになります。
さらに末端のブレが無くなる事でラケット面の再現性も高くなります。
その為に、強いボールが安定してコントロールできるようになります。

簡単とは言えない技術ですが、トライするだけの価値が十分にある技術です。
身に着けてしまえば、一生物のお宝です。

さて、それでは、身体の中心でスイングする為の補足説明です。

まずは身体の動きですが、これはシンプルに考えてください。
「身体を横に向ける、そして、前向きに戻す。」
これだけのとても簡単な動きです。
横を向いた状態から右足で地面を蹴れば自然と体は回って前を向くと思います。

ところがこのように身体を使ってスイングに入ると「身体が開きすぎてる」と言われるようなスイングになる事があります。
今日はここについて説明します。

実はスイングは身体や腕の動かし方に問題があるのではなく、身体と腕が動く順番とタイミングがポイントになります。
腕と体には下記の3つの動きがあります。

1.腕がスイングし始める⇒体がこれについてくる
2.身体が前に向く⇒腕がこれについてくる
3.身体が前に向く=腕が打点に向かう(身体と腕がそれぞれ一緒に打点に向かう)

実は目指して欲しいのは3番のスイングです。
ところが身体を使ってスイングすると2番になってしまうケースが非常に多いのです。
これが「開きすぎてるよ」と言われる理由です。

いわゆる運動連鎖と呼ばれる動きがあります。
動きに必要な身体の部位を順番に動かしてエネルギーを伝えていく方法です。

この方法はエネルギーを順番に伝えていくので非常に長い時間の必要とします。
また、いくらエネルギーを伝えても最終的には末端が大きく動くので速くはなりますが、強い状態になるのが非常に難しくなります。

それに対して3番の身体の使い方であれば、必要な部分それぞれが一緒に動くの短時間でスイングする事が可能になります。
また、身体全体が一体化して動く事で強い状態でボールとコンタクトしやすくなり、スイングの速さではなく、強さでボールにエネルギーを伝える事ができます。

ちなみに一流選手はスイングスピードはそれほど速くはないのに、ボールは驚くほど速いです。
これは末端でスイングスピードを上げるのではなく、中心のエネルギーが一体化してボールにぶつかっているからだと考えられます。

例えるなら、2番の運動連鎖の動きは駅伝やリレーのような動きです。
順番に襷を渡していくようにエネルギーを伝えるのです。

それに対して3番の一体化した動きは2人3脚や5人6脚のような動きです。
それぞれの部位が必要な動きを同時に一体化して行います。
その為に時間が短くて大きなエネルギーを生み出す事が出来るのです。

さて、このような利点がある3番のスイングですが、身体と腕が一緒に打点に向かう感覚は最初は結構難しいです。
ですから、鏡やガラスの前でゆっくりと素振りをして確認する練習を繰り返すのがおすすめです。

最初はよく分からないと思います。
特に身体を使ってスイングするようにするとどうしても腕の位置が遅れて出てきてしまうでしょう。
これを鏡やガラスの前で自分の目で見ながらスイングする素振りをします。

そうすると段々身体を使っているにも関わらず、腕の動きが遅れないような動きがわかってきます。
このような動きができると打点は自然と前になりますし、強いエネルギーを伝える事ができるようになります。

焦らず、じっくりと取り組んでみてください。

本日のお話は以上です。
いつも長文お読みいただいて本当にありがとうございます。

フィーリングテニス
戸村基貴

写真提供:小林一仁(zonephotography)

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